“聖痕の娼婦”と“石化の魔女”、交錯する姉妹の運命。

『アスコラクー首狩天使ー』のシリーズですが、こちら単体でも理解できるよう書かれています。

雪の中を、一人の女が二人の娘を連れて彷徨っていた。姉は四歳、妹は産まれたばかり。母親はとある娼館に姉妹の庇護を求めたが、引き取られたのは姉だけだった。姉シャクヤは娼館に、妹リョートは教会に。
生き別れた姉妹は、劇的に異なる人生を歩み、やがてその運命は交錯する。裏で手を引くのは二つの国の思惑と、権力を求める人間の欲望。そして娼婦の守り手である“首狩天使”アスコラクと、“白悪魔”ラサル。
アスコラクは、シャクヤを救えるのかーー。


緊張感のある文体で描かれる重厚な世界に息を呑みます。使命を帯びながら迷うアスコラクも魅力的ですが、二人の全く異なる女性の生き様が鮮烈で、印象的でした。
物語は、姉シャクヤから妹リョートへと続きます。次回作を楽しみにしております。

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