概要
幻想小説風味の作品です。大人限定とするには控えめですが、残酷描写・性描写が溢れているので、15歳以下のお子様はできるだけ読まないほうがいいかもしれません。
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!「生々しい」のは「生きている」から。
「こんなんよく書けるなぁ」と感心してしまいました。自分には絶対に書けない、発想すら浮かばない作品に出会うと新鮮ですね。
普段、夢を見ているような支離滅裂な内容のお話は好んで読まないのですが、この作品はすらすら読めました。不快感や嫌悪感が薄かったのは、なにかしら共感するものが散りばめられていたからだと思います。もしかしたら、女性の体を持っている人の方が感覚的に「なんか分かる(気がする)」かもしれません。
性行為に嫌悪感を抱く人はけっこうな数でいますし、でも子供はほしいという人も沢山いますし、そして子供はたいてい残酷だし、この小説ってすごくリアルなことを非現実な世界観にうまく織り交ぜてるんで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!退屈だからこその本質
何年か越しの再読でした。
当時、読み終えたあとのあの不穏な読後感はなんだったのか……数年の時を経た今、少しずつ飲み込めるようになってきました。
小説とは自身の切り売りである、とはよく言われる言葉ですね。自分も素人ながら小説執筆をかじっている身で、何作か書いているうちにたびたび不可思議な現象に出会うことがあります。単なる資料の読み込みや過去の人生経験だけでは説明出来ない、「自分そのもの」を表現している、という奇妙な体験です。
非常に勝手な解釈ながら、御作から滲み出る感情の仕組みは今の作者様でも説明出来ないものがあるのではないでしょうか。それほどこの小説が刹那的で、怪作であり、傑作であると感じ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!私はこの秀逸な幻想小説の一読を勧める。しかし娯楽性は保証しない。
Web小説には二種類ある。娯楽小説か否かだ。
もちろんこれは詭弁だが、しかしこの詭弁に従うならば、この「退屈な午後」は確実に後者に分類されるだろう。
本作に安寧はない。幸福はない。ただ、語り手たる「私」が倦んだ調子で退屈を噛み殺している。奇妙に歪んで捻じ曲がった日常の中で、彼女は子供を求め、セックスを拒絶し、市役所で堕胎された胎児を貰いに行く。
作中に登場するキャラクタは、どれも示唆に富んでおり、その歪みは嫌にリアリティのある重みを持っている。まるで読者の心の歪みを映しとったかのようである。
そして、歪んだ舞台と物語を絶妙な境界線で成立させているのが作者の繊細な文章力であり、そ…続きを読む