恋のマレビト

 古来、日本では海の向こうに常世があるとされていた。
 主人公は一つの恋を海に流した。即ち終わった恋は常世に旅だった。その伝で申さば、鯨はマレビトだろうか。彼女の心の邸宅に、その姿が絵になって飾られている。