神秘の世界と、輝きの海路。

この航海の果てには、何があるのだろう。

偉大なるグラヴェール家の令息であり、エルシーア国海軍に属する主人公シャインは、若干二十歳にして、特別な船『ロワールハイネス号』の艦長となることを命じられる。そしてその船にはレイディと呼ばれる不思議な少女の精霊が宿っていた。昼と夜の境界がまじわる美しい黄昏時に、ふたりは運命の邂逅を果たす――。

海上では常に危険と隣り合わせであり、読者の冒険心がわき立つ海戦シーン(他国艦との戦い、海賊討伐、夜の嵐の襲来など)が盛りだくさん。地上では、活気溢れる港町の散策や、裏通りの誘惑。薔薇の咲き乱れるグラヴェール邸、そこから馬車へ乗り出かけていく豪華絢爛な夜会と、さまざまな場面転換が楽しめます。

物語が進むにつれ、序盤の頃には伝承としてのみ語られていた世界の謎が――人知を超えた神秘の扉たちが続々と開いていきます。一夜にして海へ沈んだ伝説の王国、海を統べる青の女王、神怪魚の絶品スープ(※諸説あり)、世界を司る神々たちなど。古き時代より、船乗りたちが語り継いできた海のロマンがぎっしりです。作中へ出しきれていない設定がこの広い海にはまだまだ存在しているようで、それら全ての資料をひたすら読み漁りじっくりと考察したいものです。

ロワハイ本編のほかにも、番外編や派生作品などが多数存在しています。ひと夏をかけて、この神秘の世界観にどっぷりと浸かってみてはいかがでしょうか。

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