美しい海を舞台に翔ける、鮮やかな人間模様

エルシーアという名の美しい海。
そこを舞台に繰り広げられる、「船の精霊」と海を愛する男たちの物語です。

まず船の描写が素晴らしい。作者の船に対する並々ならぬ愛情とこだわりが伝わってきます。
「船の精霊」などの不思議現象も出てはきますが、物語の大半が船と海軍、そして普通の人間たちである軍人・船乗りたちによって紡がれてゆきます。
そのため、異世界ファンタジーではあるけれど、まるで実在した歴史ロマンに触れているよう。

元気で愛らしい少女、「船の精霊」ロワール。
純朴で不器用な青年、シャイン。
この二人の触れ合いがほほえましく可愛らしく、目が離せなくなります。
「艦長」と「船」が絆を誓い合い、まるで結婚式のような儀式を行うだなんて、もうそれだけでロマンチック!

そして私の推し・多少堅物ながらも懐の大きさと気配りでシャインをサポートしてくれる副長・ジャーヴィスさん。

彼らが今後どんな活躍を見せてくれるのか、ドキドキが止まりません!
本当に、皆さまに自信をもってお薦めできる作品です。

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