少年というのも、少女というのも年若い幼なじみのファンタジーです。
平和な時代になり、武器しか作る必要のない鍛冶屋が疎まれるようになった世界で、その鍛冶屋の息子である主人公と、その主人公が属する帝国の皇女がヒロイン。平易な文章は、この二人の純粋さとピタリと合致し、物語に引き込んでくれます。
だけど物語の展開は、ただ純粋な、キラキラした二人の物語ではないのですが、それが星が閃く夜のように感じられるのも、想像力を刺激される文章があってこそだと感じました。
冒頭を飾った場面のような美しい夜空を印象づけられた、幻想的という言葉の通りのファンタジーです。
このお話は導入に書かれているように、『1話~16話』『17話~それ以降』の話が独立した構成となっています。
メインシナリオは17話以降、16話より以前は世界観や人間関係の補足シナリオとなっています。
廃れゆく鍛冶職があるなか、勢いを衰えず活気ある鍛冶職が切り盛りしている地域など、世界観としての作り込みはかなり寝られている印象を受けた作品でした。
登場人物についても、行動の動機や心象で変化する気持ちなどに描写の焦点があたっているので、魅力を掴みやすい作品に感じます。
テンポとしてはとても丁寧に描かれているのでゆっくりとしたものですが、描かれるシナリオはこの世界感独自のものが多いので素敵な作品に思います。
描写力がとても優れた作品なので、ぜひぜひご一読ください。
幼少時代の無実さと、目覚め始める恋心の交差点にたかしゃんさんの「この世界に鍛冶屋はいらない」はある。主人公のユウトとヒロインのサラは、無邪気に社交ダンスの真似事をして、二人でちょっと赤面しながらも水浴びして、まだよく知らないなにかを気にしながらも同じベッドで寝ている。これはまさに、お互いのことを異性として好きになり始めている子供たちの純愛ラブ・ストーリーなのではないだろうか。もしあなたがそのような甘い世界を望み見るのなら、もうこのレビューを読み続ける必要はない。上のボタンから早速第一話を読み始めるべきだ。
しかし「鍛冶屋はいらない」はラブ・ストーリーだけではない。テーマである純愛を引き立てるファンタジー世界を作り上げ、アクションがあり、キャラクターたちは冒険し、成長する。また、これは僕がたかしゃんさんの(自称)ファンクラブの会長であるため知っていることだが、これからのプロットも細かに練られている上、タイトルやこれまでの伏線にも深い意味が込められている。これを知らされた時、僕は正直唸ってしまった。
主人公のユウトは最初はか弱く、女々しい。ユウトは物語の中で成長するが、得るのは肉体的な強さではなく、他人を守るための勇気や、ヒロインと繋がるための自信だ。それが現実でも異世界でも本当の強さなのではないだろうか。人は残念ながら争いを好む。争って、相手を打ち負かすのはかっこいい。しかし、他人を思い、優しくするのはまた別の、そして多分一番大切な強さだ。そのことをたかしゃんさんはこの物語を通して読者たちに語ろうとしている、と僕は思う。だからお勧めする。穏やかで、優しい、そしてか弱く、無垢で純粋な物語――いや、人生の視点――を求めるなら、あなたは「この世界に鍛冶屋はいらない」を読むべきだ。
『鍛冶屋。
それは生きとし生けるもの。その命を奪いかりとる殺めの武具を生み出す生業。その武具を売って金を得る悪魔の商人。
どんな魔物より醜く愚かな職業だ』
作り込まれたファンタジー世界で繰り広げられる少年少女の物語。謀略奸計渦巻く皇国で、二人の運命やいかに。
世界観の屋台骨がしっかりしている分難しい用語や説明も時折挟まりますが、地の文で優しく解説してくれる親切設計の作品です。
何よりですね!! 主人公組のロリショタが最高にかぁいいんですね!! 実質おねショタも兼ねてる頭おかしいカップリングなんですよ!!! かわいい! 言っている意味がわからない? 本編読んで!!!!!!