死の中の生、終末のアンドロイド

ひとりでに活動をするアンドロイドが主観となった作品において、荒廃した世界というのは言ってしまえばお約束、また決まりごとのようにあるものではあるが、作品それぞれに荒廃の仕方はある。
時に不気味、時に無機質、時に孤独感……

当作品は寂しさ、侘しさを前面に押し出したような世界でありながら、どこか懐かしさも孕んだような目線で描かれていて、とても美しいと感じました。
そして、個人的に「いいな」と感じたのは、人の死を「影と成り果てた」と表現したところ。
影は像の裏返し、生の裏の死。
作者の意図とは違うかもしれませんが、少なくとも私はそう解釈致しました。

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