概要
『なんで、どうして!? いったい私どうしちゃったの。夢なら覚めてーっ!』
七月の学校祭が近づいたある日、伊薙海斗は記憶喪失の幽霊「ミサキ」に憑りつかれてしまった。
そして、その日を境に平穏な日常が音を立てて崩れ出した。
夕陽が沈むころ、逢魔が時に現れる謎の少年。
海斗と親しい人たちが抱えていた心の闇が魔性に変わっていく。
果たして「ミサキ」とは。
歴史の中に消えた四百年の縁を繋ぐ壮大な物語が今、幕を開ける。
それでは――逢魔が時に、行逢いましょう。
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- ★★★ Excellent!!!「逢魔が時」に起こる怪異、それに向かうは・・・・・・
ある日の朝、雷でも落ちたかのような音でたたき起こされた主人公、伊薙海斗。
天井には大きな穴、部屋は散乱していて、気が付くと彼の中にはミサキという女の子の幽霊(?)がいた。
まさに史上最悪の目覚めだったでしょう。
しかし着替えやらなんやらが大変だったかと。
後になってまた史上最悪、いやある意味史上最高の目覚めもありますがね。
いや、やっぱそれはまずいか、彼にとっては。
幼馴染二人や部活の先輩、後輩に好かれる海斗。君、何気にモテるね。
と、その彼女達に振りかかる、「逢魔が時」に起こる怪異。
そして彼女達それぞれの心にある闇の部分。
海斗とミサキがそれらを一つ一つ解決して…続きを読む - ★★★ Excellent!!!行逢神と対峙する、少年少女の青春バディ
スヤスヤの長い睡眠から覚めると青空であった。
突然の大音声。天井にぽっかりと開いた穴。そして、自分の頭の中で響く女の子の声……。
主人公がなぜかその体内に「女の子の幽霊」とおぼしきものを宿してしまうところから、物語が始まります。
一体何が起こったのか、主人公はもちろん、「女の子」すらもわかっていない。
いきなり、二人で大混乱です。
キャラクターの「二面性」がすさまじいです。
登場人物の「普段の明るい姿」と「隠している暗い気持ち」の対比がとても鮮やかです。なるほどこの子ならこんな風に考えるだろうな、こんな風に悩んでしまうんだろうな、とキャラクターがすんなり頭の中に入ってきます。
ヒロインた…続きを読む - ★★★ Excellent!!!負の感情は魔を呼び込む
ある朝、海斗が凄まじい衝撃に目を覚ますと、視線の先には青空が広がっていた。
……いやいやいや、お前どこで寝てるんだよ、とツッコみたくなるような出だしだが、我々読者は次の瞬間ツッコんだ自分を恥じることになる。
彼はなんと自室のベッドできちんと寝ていたのだ!
天井には穴が開き、部屋の中はすっちゃかめっちゃかに散乱し……それもそのはず、なんとこの部屋の海斗めがけて雷が落ちて来たのだから!
この瞬間から、彼の体の中には知らない女の子の意識が同居する(憑依?)ことになり、それと同時に不可解な事件に巻き込まれるようになる。
彼の真面目過ぎる性格から、次々と起こる怪現象や謎の事件を解決してい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!すっきり読みやすくて甘酸っぱい青春、退魔和風ファンタジー
誰にでも、自信をもってお勧めできる青春退魔ファンタジーです。
高校二年生、戦国時代から続く古武道の家柄で、お料理男子の海斗へ、突然の落雷とともに「ミサキ」と名乗る女の子が憑りついてしまいます。しかも、その女の子は「ミサキ」という名前、以外何も覚えてない。姿は見えないのに、年齢は海斗君と同じ年。
どたばた楽しいラブコメが始まったと思ったら……
逢魔が時、そのキーワードともに、海斗くんの周りの女の子たちが、謎の怪異に狙われ始めます。海斗と「ミサキ」、ふたりのコンビによる退魔バトルが始まるのですが…… そこは読んで確かめてください。
拝読して良かったと思えたのが、メインキャラクター…続きを読む - ★★★ Excellent!!!──逢魔ヶ時に現れる『それ』は人に取り憑き、負の感情を暴走させる。
退魔といえば◯~べ~や結◯師など、往年の名作たちが揃い踏む王道ジャンル。それに青春の甘酸っぱさと言う名のエッセンスを加え入れたのがこの作品。おにいさんもこんな学生生活を送りたかった……。
主人公はどこにでもいる普通の高校二年生……ではなく、かつて祖先が町を治めてたこともある中々高い位に属する坊っちゃん。それもあってか基本モテる。あと顔もいい。うむ、普通じゃないな!
しかし、そんな順風満帆な学生生活に突如として起きた謎の現象により、二つの出来事に見舞われてしまう。それは、天井の崩壊と謎の幽霊っぽい存在『ミサキ』に取り憑かれてしまうことだった!
声は聞こえど姿は見えず、誰もこの存在に気付かな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!夕闇はじわじわと……
落雷とともに突如、主人公の中に現れた謎の女の子ミサキ。
彼女は霊的な存在なのか、はたまた……。
そして怪異に立ち向かわなければならなくなってしまう主人公。
日常パートとも言うべき複数のヒロインたちとの掛け合いはほのぼのとしているのに、そこから怪異パートへの反転したような移行はまさにじわじわと夜の帳が下りて来る逢魔時と呼ぶに相応しい妖しい魅力がありますね。
柳田國男先生の提唱した話なども盛り込まれており、個人的に大好物と言えるテーマです。
現時点でミサキが何者なのかは明かされていませんが、読み始めると彼女の正体が気になって気になって仕方がありません(笑)
掛け値なしに引き込まれます。