ミサキ~四つの御魂と縁の言霊~

作者 結葉 天樹

70

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★★★ Excellent!!!

 ある日の朝、雷でも落ちたかのような音でたたき起こされた主人公、伊薙海斗。
 天井には大きな穴、部屋は散乱していて、気が付くと彼の中にはミサキという女の子の幽霊(?)がいた。
 まさに史上最悪の目覚めだったでしょう。
 しかし着替えやらなんやらが大変だったかと。

 後になってまた史上最悪、いやある意味史上最高の目覚めもありますがね。
 いや、やっぱそれはまずいか、彼にとっては。

 幼馴染二人や部活の先輩、後輩に好かれる海斗。君、何気にモテるね。
 と、その彼女達に振りかかる、「逢魔が時」に起こる怪異。 
 そして彼女達それぞれの心にある闇の部分。
 海斗とミサキがそれらを一つ一つ解決していき、話は進んでいきます。
 
 怪異の後ろにいる敵、それはいったい?
 それと幽霊(?)のミサキ、彼女は何者だ?
 そして最後は、行逢い・・・・・・それは読んでからのお楽しみという事で。
 まあおそらく「何だとー!?」となるかも。

 全体的に読みやすく、ほのぼのな部分もあればシリアスあります。
 妖との戦闘シーンも良いです。
 祝詞やら勾玉やらも出てきて、その手の雰囲気が出ています。
 
 あと、「絶刀・神威一閃」という技、これ好きです。
 本当に。
 
 読めばきっとハマると思いますよ。
 皆様ぜひぜひ、読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

スヤスヤの長い睡眠から覚めると青空であった。

突然の大音声。天井にぽっかりと開いた穴。そして、自分の頭の中で響く女の子の声……。
主人公がなぜかその体内に「女の子の幽霊」とおぼしきものを宿してしまうところから、物語が始まります。
一体何が起こったのか、主人公はもちろん、「女の子」すらもわかっていない。
いきなり、二人で大混乱です。

キャラクターの「二面性」がすさまじいです。
登場人物の「普段の明るい姿」と「隠している暗い気持ち」の対比がとても鮮やかです。なるほどこの子ならこんな風に考えるだろうな、こんな風に悩んでしまうんだろうな、とキャラクターがすんなり頭の中に入ってきます。
ヒロインたちが心を閉ざし、闇に囚われてしまう理由が納得できるものとなっているので、キャラクターに対してヘイト感情が湧くことがありません。
記号的なキャラクターではなく、きちんと「生きた人間」が描かれていて、そのキャラクター造形は教科書にしたくなります。

あちらこちらにちりばめられた意味深な言葉遊びや、主人公が必殺技を放つ時の「祝詞」など、言葉選びの一つ一つが非常にカッコいい。
普段の地の文は簡潔に、決めるところだけバシッと決める、メリハリがたまらないです。

主人公に取り付いた女の子は一体何者なのか?
主人公を取り巻く怪異は一体何なのか?
読むたびに少しずつ解けていく謎が気持ちいい作品です。

★★★ Excellent!!!

 ある朝、海斗が凄まじい衝撃に目を覚ますと、視線の先には青空が広がっていた。
 ……いやいやいや、お前どこで寝てるんだよ、とツッコみたくなるような出だしだが、我々読者は次の瞬間ツッコんだ自分を恥じることになる。
 彼はなんと自室のベッドできちんと寝ていたのだ!
 天井には穴が開き、部屋の中はすっちゃかめっちゃかに散乱し……それもそのはず、なんとこの部屋の海斗めがけて雷が落ちて来たのだから!

 この瞬間から、彼の体の中には知らない女の子の意識が同居する(憑依?)ことになり、それと同時に不可解な事件に巻き込まれるようになる。
 彼の真面目過ぎる性格から、次々と起こる怪現象や謎の事件を解決していくというのがこのストーリーの形なのだが、どれもこれも怪しげな妖が友人たちにとり憑いた事で引き起こされている。
 
 彼の中に意識だけ同居を始めたミサキという女の子は、自分の名前以外の一切を覚えていない。記憶喪失らしい彼女は、妖との戦いの中で祝詞を唱え、魔封じの武士の家系の末裔として育った海斗を助ける。
 ミサキは一体何者なのか。記憶を失っているのに何故こんなことを知っているのか。

 海斗の周りを固めるのは、一途で健気な女性キャラたち。所謂『ハーレム』状態を構築しており、「そんな上手いこと主人公を女の子たちが取り合うわけねーだろ!」とツッコみたくなる構成なのになぜか納得させられてしまう。それは海斗の誰にでも好かれる性格故のことだろう。
 彼はとにかく『一生懸命』がヒトの形をして服を着て歩いているような男なのだ。あれは誰でも応援したくなってしまうだろう。悔しいけれど、私も応援してしまった、イケメン許すまじ!
 しかも女の子たちも思いやりがあり、大切な誰かの為に一生懸命生きている。もう、メインキャラみんないい人ばっかり。
 だからこそ、敵役の禍々しさが際立つというものだ。その辺りは実に見事… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

 誰にでも、自信をもってお勧めできる青春退魔ファンタジーです。

 高校二年生、戦国時代から続く古武道の家柄で、お料理男子の海斗へ、突然の落雷とともに「ミサキ」と名乗る女の子が憑りついてしまいます。しかも、その女の子は「ミサキ」という名前、以外何も覚えてない。姿は見えないのに、年齢は海斗君と同じ年。
 どたばた楽しいラブコメが始まったと思ったら……

 逢魔が時、そのキーワードともに、海斗くんの周りの女の子たちが、謎の怪異に狙われ始めます。海斗と「ミサキ」、ふたりのコンビによる退魔バトルが始まるのですが…… そこは読んで確かめてください。

 拝読して良かったと思えたのが、メインキャラクターの誰もが一生懸命な想いを抱いていることでしょうか。それに、何気ない会話のやり取りに表情が感じられる、そんな気がします。海斗君のまわりにいる女の子たちも、お母さん、おじいちゃんも、言葉や笑顔や振る舞いで想いを伝えあおうとしている感じがするんです。ときどき、一生懸命なあまり、魔に魅入られてしまうこともあるけど……

 甘酸っぱくて爽やかな、和風青春退魔ファンタジー。読むと、きっと、登場キャラの誰かを応援したくなりますよ。

★★★ Excellent!!!

退魔といえば◯~べ~や結◯師など、往年の名作たちが揃い踏む王道ジャンル。それに青春の甘酸っぱさと言う名のエッセンスを加え入れたのがこの作品。おにいさんもこんな学生生活を送りたかった……。

主人公はどこにでもいる普通の高校二年生……ではなく、かつて祖先が町を治めてたこともある中々高い位に属する坊っちゃん。それもあってか基本モテる。あと顔もいい。うむ、普通じゃないな!
しかし、そんな順風満帆な学生生活に突如として起きた謎の現象により、二つの出来事に見舞われてしまう。それは、天井の崩壊と謎の幽霊っぽい存在『ミサキ』に取り憑かれてしまうことだった!

声は聞こえど姿は見えず、誰もこの存在に気付かない。おまけに相手はほぼ同年代の少女と来たもんだ。着替えするにも一苦労。そんな中で、また再び謎の現象に遭遇する。なんとそれは鎌鼬──妖怪のような存在。それによって友人らが被害を被っていた。

なんとか二人(?)はそれの撃退に成功し、元凶も見つけて安心する間も無く、次々と浮かぶ不可解極まりない謎に翻弄されていく。
しかし、それらもまだ序章に過ぎない小さな事だった。
人の弱みや負の感情に詰め寄り、妖怪を作り出す正体不明な人物。逢魔が時に現れるそれは、二人の前に現れ──


おっと、ここから先はまだ皆さんには未来の話でしたね(預言者並感)


青春×退魔バトルの真骨頂! 物語はまだ始まったばかり! 読んで後悔はない!

是が非でも一読あれ!

★★★ Excellent!!!

落雷とともに突如、主人公の中に現れた謎の女の子ミサキ。
彼女は霊的な存在なのか、はたまた……。
そして怪異に立ち向かわなければならなくなってしまう主人公。
日常パートとも言うべき複数のヒロインたちとの掛け合いはほのぼのとしているのに、そこから怪異パートへの反転したような移行はまさにじわじわと夜の帳が下りて来る逢魔時と呼ぶに相応しい妖しい魅力がありますね。
柳田國男先生の提唱した話なども盛り込まれており、個人的に大好物と言えるテーマです。
現時点でミサキが何者なのかは明かされていませんが、読み始めると彼女の正体が気になって気になって仕方がありません(笑)
掛け値なしに引き込まれます。