概要
あの方の骸と共に、わたくしも焼いて欲しかった。
目の前にあるのは、曰くありげな一面の「小面(こおもて)」。
住職は息を呑む。明け方に見た夢に出てきたのは、この面をつけた女だった。振り絞るような女の独白を、確かに聞いたのだった。
住職は息を呑む。明け方に見た夢に出てきたのは、この面をつけた女だった。振り絞るような女の独白を、確かに聞いたのだった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!企画入賞レビュー「高い完成度と芸術性」
私が企画で入賞作品をコレと決める際には、それぞれの作品を比較して「コレがいいかな、それともコッチがいいかな」と悩んだりはしないものです。歯に衣着せず本音を言ってしまえば「他と比べられている時点で」それが「抜きん出てはいない」ことが明らかだと知っていますから。そう、優れた作品は読み終わった瞬間に「うん、これだ間違いないぞ」と確信させてくれるものなのです。
ではなぜ確信に至ったのか?
ネタバレなしで、この作品の良さを伝えるのは難しいのですが。
文章が上手いだけでなく構成に工夫がなされていました。
それも徹頭徹尾、導入部分から最後のオチに至るまで一切スキや甘えがなかったのです。作品の…続きを読む