竜門

 少しだけ聞いたことはあった。書道パフォーマンスなるものについて、作中でも様々な角度から語られている通り書道の新たな形態である。
 そして調べた。毎年愛媛県の四国中央市で大会がある(※高校生の大会)。
 昔テレビで目にした古畑任三郎のドラマに華道パフォーマンスが出てきたが、書道にせよ華道にせよ激しい身体の動きが自然に注目される時代になりつつあるのだろうか。
 主人公の少年は誰もが応援したくなる柔和で誠実な人間であり、その意味では読者を保護者にしてしまう。魔性である。
 私自身は獅子屋が大変気に入った。性格も外見も行動も大変カッコいい。あれで私生活にあれこれ悩みを抱えていそうだが。
 そんな彼らの学園生活が一つ一つ読者に紹介されていく筋立ては、なにか書道で描かれていく達人の筆さばきを思わしめる。
 まだまだ序盤のようだが、特に主人公は倒れぬ程度に全力を尽くして欲しい。

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