創造力が湧く瞬間

春の柔らかな日の情景。

初々しい、千尋の
入学の日の様子が、

瑞々しい気配を持って伝わって来ます。


千尋の境遇から、

新たな中学生活への期待、
前向きな気持ちと、

馴染みの、勇樹と公弘の存在が、
温かく、包むような気がします。


新たな出会いを迎える、

正親の第一印象が強烈で、

わくわくしてきます。



部活での何気ない、千尋と周囲との
雰囲気のずれ、

抱く想い。


微妙な心理が繊細に描かれていて、
とても分かる想いがします。


絵を描くことのきっかけ。


おばあちゃんの言葉は、

物を作る人にとって、
かけてほしい言葉の、ひとつではないでしょうか。

胸にじんわりと染みました。



『夢』の文字。


千尋と、正親を繋いだ、
一枚の書の存在。


千尋の描く姿に、感動して、
涙が出る想いがします。


わくわくと合わさる、
真剣であればこその、
二人の戸惑いや想い。


見上げる絵画の存在、
時を伝える表現。

拝読していると、
小さな瞬間にも、はっとさせられます。


創造力が湧く瞬間。

誰かとそれを分かち合いたいと思ったことが
ある人にとって。

心震える瞬間が、
物語の中に描かれていると思います。

その他のおすすめレビュー

kao._.さんの他のおすすめレビュー65