自分も何かのエリートかもしれない、 そんな自信を持たせてくれます。
- ★★★ Excellent!!!
大人も楽しめる、深夜アニメに心奪われる感覚。
もし味わったことがある方なら、
その感覚から、惹かれた当時のことを、
思い出させてくれます。
少年時代の熱い感覚。
大人になった自分。
懐かしさと、どこか心の奥が少し痛むような、
大人になっても、何かのオタクな人であれば、
この言いようのない独特な感覚に、
拝読していて頷き。
共感する方が居るのではないかと思います。
ことさら、社会で現実を生きながら、
そっとオタクを楽しんでいる方。
そんな方に寄り添う物語です。
自分はオタクでない、という方も、
物語に触れると、その気持ちが伝わって来ます。
上手く、オタクである自分を隠し、
社会で暮らしている、東野。
出会った隣人の女性、蒼井
普段出せない好きな作品への想い。
同じ作品を見て、好きなことを語り合う。
この二人のやり取りに、
嬉しさ楽しさに、心わくわくすると同時に、
胸がきゅっとしました。
隠れオタクにとって、
こんな楽しい時間があったら、
二人の時間は、隠れた暗いものではなく、
純粋な、好きな作品への想いにあふれていて。
熱意に、心動かされます。
もし語る相手が居なくとも、
好きなことがあることは、
幸せなことなんじゃないか。 気づかされる気がしました。
続いて登場する巨漢の愛徒。
コミケでの思いがけない出来事、
コスプレイヤーの夏織、
声優志望の天音、
イラストレーターの絵美、
そして、創一郎自身。
事情と、どうしてオタクをするのか。
自分の目指すもの、変わって行くきっかけ。
オタクに拘らなくとも、
物語で描かれる人物の、丁寧なやり取りや、心模様、
自然に入り込むことが出来ます。
オタクに未知な方は、彼らの様子を。
自分も何かのエリートかもしれない、
そんな自信を持たせてくれます。