大人も楽しめる、深夜アニメに心奪われる感覚。
もし味わったことがある方なら、
その感覚から、惹かれた当時のことを、
思い出させてくれます。
少年時代の熱い感覚。
大人になった自分。
懐かしさと、どこか心の奥が少し痛むような、
大人になっても、何かのオタクな人であれば、
この言いようのない独特な感覚に、
拝読していて頷き。
共感する方が居るのではないかと思います。
ことさら、社会で現実を生きながら、
そっとオタクを楽しんでいる方。
そんな方に寄り添う物語です。
自分はオタクでない、という方も、
物語に触れると、その気持ちが伝わって来ます。
上手く、オタクである自分を隠し、
社会で暮らしている、東野。
出会った隣人の女性、蒼井
普段出せない好きな作品への想い。
同じ作品を見て、好きなことを語り合う。
この二人のやり取りに、
嬉しさ楽しさに、心わくわくすると同時に、
胸がきゅっとしました。
隠れオタクにとって、
こんな楽しい時間があったら、
二人の時間は、隠れた暗いものではなく、
純粋な、好きな作品への想いにあふれていて。
熱意に、心動かされます。
もし語る相手が居なくとも、
好きなことがあることは、
幸せなことなんじゃないか。 気づかされる気がしました。
続いて登場する巨漢の愛徒。
コミケでの思いがけない出来事、
コスプレイヤーの夏織、
声優志望の天音、
イラストレーターの絵美、
そして、創一郎自身。
事情と、どうしてオタクをするのか。
自分の目指すもの、変わって行くきっかけ。
オタクに拘らなくとも、
物語で描かれる人物の、丁寧なやり取りや、心模様、
自然に入り込むことが出来ます。
オタクに未知な方は、彼らの様子を。
自分も何かのエリートかもしれない、
そんな自信を持たせてくれます。
いわゆるオムニバス形式で、『隠れヲタク同盟』と仲良くなったお隣さんに、さまざまな『ヲタク』たちを紹介していきますが、彼/彼女たちにはさまざまなストーリーがあって、ヒューマンドラマとしても面白いです!
主人公はまじめなエンジニアですが、男子が多い環境が長かった分、奥手で生真面目で異性とのコミュニケーションは少し不器用。そして、アニメやゲームの趣味があるけど、なかなか他者と共有できない『隠れヲタク』。その人間性がなかなかリアルで自然で、物語に入り込みやすくしております☆
上記のように、理系技術職で『エリート』かつ『ヲタク』なので、タイトルの由来はそこから来ているのかな、と思いましたが、最後の最後、いい意味でその予想は裏切られました!
もっと熱く秘めた登場人物たちの想い、ひいては作者さまの想いを感じ取らせていただきました!
私自身はアニメに疎いながら、丁寧で分かりやすい描写で、簡単に入り込むことができました。その上、ストーリーが『ヲタク』の趣味の内容に偏重しておらず、その中の人間性や成長、さらには『ヲタク』文化の中のマナーにも言及しておられ、とても楽しく拝読いたしました。
素晴らしい読書時間をご提供いただき、感謝しています!!
この作品には個性的なオタクな方々が登場します。
幾つものイベントを掛け持ちするイベントスタッフな元ヤンキー。(気は優しくて力持ちタイプ?)
コスプレして顔出し格ゲー実況をする美女。(お嬢様)
声優志望なゲーマー。(リズムゲー)
レズビアンな神絵師。(彼女持ちな女タラシ)
もちろん主役もオタクです。
主役は理系エンジニアな25歳。(オタク方面人脈広し)
お隣さんは美人女子大生。(未成年)
と、こんな風に書いても、この作品の面白さは今一伝わらないでしょう。
これはもう、読むしかない‼️
オタクな皆様方へ是非‼️ 共感出来ること受け合いです‼️(これ書いてる自分もオタクの端くれだし)
カクヨムコン5長編部門参加作品です。
※ネタバレしないように抽象的な表現にしています!
確かにタイトル通りエリートオタク達のオムニバス作品で、とにかく読みやすかったです!
凄く読み手に配慮していただいた書き方で表現も分かりやすく、すらすら読めるのでおすすめですヽ( ・∀・)ノ
ネタバレになるかもなので具体的な事は避けますが、登場人物も一人一人凄い細かく描かれており、きっと強く感情移入するキャラクターが一人はいるだろうなってところが魅力です⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
自分が好きなことと周囲の視線やギャップに対する葛藤、誰にでも一度はあてはまるけれどそれをどうしていくか。そんな事をもう一度考えさせてくれる作品でした!
※作品は絶対評価したいので星は適当です。
※六章三話まで読んだ感想です。
※追記 最後まで読んだ感想です。
大きな事件も、ひっくり返るようなドラマもない。穏やかな筆致で描かれる、この世界のどこかで息をしていそうな、ちょっと変なとこもあるエリートヲタクたちの物語です。
ここでイカれたメンバーを紹介するぜ(個人の感想と偏見です)。
東野創一郎―――25歳のサラリーマン。引いてよし守ってよし(攻撃性能は無い)のオールラウンド草食系男子。お隣の女子大生、有名コスプレ格ゲーマー、音ゲーマー声優、お向かいの変態と、多くの女性と知り合う自称毒男。('A`)テメコラチョットソコセイザシロヤ
あと、理系のサガなのかちょくちょくモノローグが辛辣。オタサーの姫への罵倒は個人的な語り草。
蒼井希望―――希望と書いてのぞみと読む、圧倒的陽で生きる者のオーラを感じながら日陰者のヲタク道を歩むメンタルタフガイ。25で早くも枯れ気味な東野くんとはいえ、男を一人暮らしの家に上げても動じないノーガードスタイルを貫く。あと、けっこう突然興奮し出す。
平和島愛徒―――コミケを始めとするイベントの運営ボランティア多数こなすプロのヲタク。そして筋肉。筋肉の有用性を証明すべくヲタクになったのかと思いきや、ヲタクでいるために筋肉にその身を捧げたエリート筋肉。あれ?
灰谷夏織―――女子格ゲーマーでコスプレイヤーで生主と、変な男ホイホイ三拍子を有して日夜戦う休学中のエリートニート。東野くんの師匠。
林原天音―――声優として活動するボクっ子音ゲーマー。すべてを芸の肥やしにしようとする意識の高さで、「ボーっと生きてんじゃねぇよ!」と引っぱたかれた気分になった。東野くんにはっきりフラグを立てている。('A`)……。
相馬絵美―――変態。この人と絡んで、希望のボキャブラリーが爆発した。
作品も終盤です。完結したら、またお会いしましょう。
※追記
最後まで、大きな事件は起こらない。代わりに、東野くんと希望の『これまでの人生』が細かく嫌らしく立ちはだかりました。そして、『これからの人生』が輝きだす予感を持たせて、完結しました。
現実を埋めるのはいつだって夢中な空想です。その権化たるヲタク趣味が彼らを繋いだ。ロマンチックな話じゃあないですか。