濃密な筆致で描かれた重厚なバトルアクションです。
序盤のグイグイひきこむ展開の速さ。深まる謎。つかみもバッチリ。
ホラージャンルになってますが、オカルト要素は謎の生物だけなので、ホラーが苦手な人でも大丈夫。むしろ、ミリオタとか、アクション物が好きな人に読んでほしい。
物語は護送の途中で森のなかに閉じこめられた警官、犯罪者、取り残された一般人を中心に進んでいくのだが、単純に人間対UMAという図式ではなく、そこに警官や犯罪者たちを襲う謎の武装集団をぶつけたことで、いっきに複雑になり、厚みのある作品となっている。
人間対人間、人間対UMA、三つの勢力がからみあいながら、激しいバトルをくりかえす。
そして何より、男たちの生き様がカッコイイ!
大勢の登場人物がいて、それぞれに深い事情があり、なかにはツライ過去を抱えている人たちも。
その人たちが、いかに自身の過去と向きあい、誇り高く死すか。
読みながら何度も胸が熱くなりました。
もちろん、なかには卑劣な人間もいるわけですが、一概に犯罪者だから悪、警官だから善という作りではないのが、より作品に深味を与えています。
これだけの人数の描きわけは、作者さまの技量の高さですね。
最後にはあのMでさえ、ちょっと可愛く思えたり……。
とにかく、映画のような一作。
かっこいいバトルてんこ盛りですよ!
リアリティーと人間ドラマ。
そこに居る人々の人生とこれから。
空想の物語ではなく、もしそれらの人々を、
間近に感じ、体験したい時、
お勧めの物語です。
読む人は、登場人物たちの隣に立ち、
壮絶な戦いと人生を、体感します。
緻密に描かれる人間模様と、想像を超える展開に、
驚き、涙します。
始まりは、ほんの小さな出来事から。
ふと手にし、持ち帰ってしまった石像。
ひやりとする感覚、触れてはいけない世界。
軽率にも触れてしまったこと、それは
運命かも知れません。
忍び寄る予感が、静かに迫ります。
様々な事情、立場を抱える人物たちが、
次第にひとつの所へ、集う様子に、
胸が高鳴って来ます。
刑事達と囚人。
高まる緊張感と嵐の中、
混じり合うはずのない人々の出会い。
それも運命に導かれたのかも知れない。
道の駅「天童」
集う人々と、
伝説の怪物と、赤い目の目撃。
怖いと感じながらも、先へと惹きつけられます。
次第に遮断される通信網と、孤立する人々。
恐怖を駆り立てられます。
降りしきる雨の中、試されるのは
人間の力に思います。
危機迫る中、女性の存在も光っています。
優しさ、気転と勇気。
衝撃の中、生き残るには。
作戦と攻防、生死と向き合い、どう戦うか。
生きることを、強く感じさせてくれます。
極限の中に描き出される人々。
正義とは、ぶつかり合う感情と、
解けて行く心、
過去からの想い。
隠された正体と、陰謀。
全てが絡み合う、戦いに、
飲み込まれて行きます。
激しさの中に見える、幼い者からの愛情。
混乱の中だからこそ、見える人々の心があります。
真実と向き合う時、果たして、人々は、
この森から、生きて帰ることが出来るのか。