主人公の志保は妖怪を見てしまう体質です。
そんな彼女には木葉という妖怪の友達がいて、志保と楽しく過ごしたり、志保に人間の友達が出来るように後押しをしてくれたりします。
そのように二人は仲を深めていくのですが、志保は成長の過程で妖怪を見る力を失っていきます。
木葉にいずれ会えなくなると悟った志保は、木葉がとても大切な存在だと改めて認識するのですが……
人間と妖怪、それは全く違う集団と言えると思います。
そいう性質の全く異なる集団に属する男女がお互いを真剣に愛した時、果たしてどんな事が起こるのでしょうか?
お互いの自分の所属する集団に残り決別するか、どちらかの集団に取り込まれるか、新たな集団を作るか……いろいろな選択肢があると思います。
志保と木葉はどんな選択をするのか?
是非、読んで確かめて頂きたいです!
抗えない現実に、文字通り命を懸けて抗う二人の、切なくも、相手を思いやる強さを教えてくれる最高の作品です。
妖怪が見えてしまうことで、親にも友だちにも幼い頃から奇異の目で見られ、孤独を感じていた志保。そんな彼女に初めてできた友だちが、白い羽を持つカラスの妖怪の「木葉」だった。
唯一の友だちとして次第に惹かれ合う二人。けれど、その想いを自覚する頃、最大の試練と直面する。
志保の妖怪を見る力が失われていく。
そして、二人が互いを想えば想う程、志保の命が削られていく。
この現実に、二人が出した究極の答えとは。
とても読み易い文章で展開していく本作。全編に渡って二人の仲の良さ、相手を想う気持ちが溢れていて、読んでいて非常に心地良かったです。
時に楽しく、時に切なく、それでも笑いも交えて進んでいくからこそ、ラスト数話は涙無くして読めませんでした。
読み始めから終わりまで、一貫して変わることの無かった私の思い。それは。
私、この作品が大好きです。
是非一度、お手にとってみて下さい。
妖怪が見える志保はある日、自分と同じくらいの年齢の男の子、木葉と出会った。
妖怪が見えるという事で小さい時から孤独を抱えていた志保は、妖怪が苦手だった。
木葉も妖怪であったが、一人ぼっちだった志保に話しかけてくれたり、別の妖怪に襲われてピンチに陥っていた志保を助けてくれたりした事で、定期的に会うようになって、友情が次第に恋に変わっていく。
しかし運命は残酷で、二人が一緒にいられる時間は短かった。
自分よりも大切な存在に気づいた二人が悩みに悩んだ末に行きついた結論は、悲しくて切ない、だけど幸せな未来へと続く希望を残す事だった。
志保の純粋でそれでいて強い想いが読み進めていく度に心に響いて、時には涙し、時にはもどかしさで唇を噛んだりと、感情移入しながら読みました。
志保と木葉の心の揺れを丁寧かつ繊細な文章で綴られており、間違いなく『泣ける』小説です。
自分よりも大切なもの。
貴方にはありますか?
私はまだ見つけられずにいます。
正直、二人が羨ましくなりました(^-^)
完結作品。
主人公・志保には昔から妖怪を見る能力があった。
その力のために周囲となじめずにいた志保を救ったのは、妖怪の少年・木葉。
共に過ごしながら互いに想いを深めていく二人。しかし、成長するにつれて志保の力は薄れ、木葉の姿が見えなくなりつつあった……という、別れを運命づけられた少年少女の物語です。
人間と、妖怪。
種族の壁という決定的な障害に阻まれながらも繋がりを結んでゆく二人の間には純粋な愛情だけがあり、それゆえに別れの切なさが胸を衝きます。
志保と木葉がどのような答えを出すのか。皆様もぜひお確かめください。
読了後のレビューです。
主人公は妖怪が見える少女。
物語を読み始めた時には、登場する数々の妖怪を前に、子供の頃好きだった妖怪と話せるなんて羨ましいなと思ったり、可愛い妖怪の微笑ましい語り口調を前にほっこりしたり。
少しずつ失われつつある、妖怪が見える力を前にしながらもワクワクしたり癒されたり。
読み進めていくうちに、深みを増していく妖怪が見えなくなっていく力と、主人公を苦しめていく現実。
物語の中で描かれているのは、強い想いと見えなくなっても確かにある繋がりです。
主人公志保と妖怪木葉。
ふたりが紡ぐ繋がりと確かな想い。
悲しみの中にある描かれていない幸せが見えた時、私達の日々に励みをくれる何かが見えてくるかもしれません。
ヒロインの志保には幼い頃から「妖怪たち」が見えてしまう。そのために友達ができず、寂しくて泣いていた彼女に手を差し伸べたのは、少年の妖怪「木葉」だった。
白い翼を持つ木葉は悪い妖怪たちから志保を守る。さらには「寂しさ」からも。2人は幼馴染みのように、あるいは兄妹のように仲良く成長し、やがて、友情が恋に変わった。
しかし、大人になるにつれて、志保には木葉が見えなくなっていく。さらには、一緒にいるだけでも大きな代償を払わなければならなくなる。人と妖怪の悲しい定め。
このまま別れるのは嫌だ…!
志保と木葉が悩んだ末に出した結論は――。
2人のキャラが愛らしく、別れの切なさが胸に迫ってくるような物語でした。
よくできた物語は寓話的な意味を持つものではないかと思うんですが、この作品はまさにそう。表面的に描かれていることを超えて、子供から大人になるということ、愛するということ、誰かを守るということ……いろいろなことを考えさせられました。
もちろん、難しい話ではありません。木葉の差し伸べた手を志保が握る場面、漫画のセリフを借りて愛の言葉をかわす場面、夏祭り、遊園地でのデート。志保にしか見えない木葉とのやり取りに、クスッと来たり、ときめいたりする場面がたくさんあります。
そして、志保にも木葉が見えなくなる日が近づいてくる
(木葉からは見えるのがまた切ない)。
2人はその試練をどう乗り越えるのか?
ぜひ本編を読んでください!
この作品の良いところは何と言っても「少年・少女らしさ」が、これでもかというくらい繊細に描かれているところです。
読んでるこっちが恥ずかしくなるようなだだ甘なセリフを吐きまくるわ、痴話喧嘩で時々感情任せの支離滅裂なこと喚くわ、しっかり固めたはずの決心が揺らぎまくるわ。
最近の小説では、やたら達観した・精神的に大人な高校生が増えているので、
こういった「精神的な未熟さ」や「後先考えない勢い」は古き良きというか、一周回って新鮮さを感じますね。
ジブリの映画を見ている気分でした。
やや荒削りな文体もこれらを引き立てるスパイスになってますね。
人間と妖怪、相容れない恋の結末は如何に?
作品を手に取り、自分の目で確かめてみましょう!
女子高生志保と妖怪木葉の異種族間ラブストーリーです!
始めは木葉とケンカのような言い合いばかりしてるシホですが、次第に木葉に魅かれるようになります。
このままハッピーエンドになれればいいのですが……。
両想いになるまでの学園生活やお煎餅ちゃん(←これ重要)のことも丁寧に書かれていて面白いなあ面白いなあと思って油断してました。
タイトル重要!
うわー、何でだ! 切ないだろ! うん、切なかったです。
やっと木葉のことが好きって気付けたのに神様は残酷です。
2人に幸せな時をもっともっと過ごしてほしかった。
でも、悲しいのだけれど悲観的なラストじゃなくて未来を感じさせるラストです。
面白いのでぜひ読んでいかれませんか?
志保は幼い頃から「妖怪」が見える体質だった。
そのことで怖い思いをしたり、辛い思いをしたりしたのだけど……。
中には、わかり合える「妖怪」もいたりして……。
その妖怪の一人が、木葉だった。
志保は、木葉と一緒に過ごすうちに徐々に心を通わすようになるのだが……。
だんだん。
……だんだん、ね。
見えなくなるんですよ。
志保ちゃんが。
妖怪のことを。
でね。
志保ちゃんと深くわかり合えている木葉だって「妖怪」なわけでね……。
……ここまで読んで頂いたら……。
なんとなく、気づいて頂けました?
そうなんですよ。
見えなくなるんですよ。
木葉のことが。
この二人が、最終的に出した結論とラストまでの展開に涙が……。
あ。
今も思い出して涙が……。
この二人だけじゃない。
二度と会えない別れが訪れたとしても。
きっと側に居る。
見えなくても、触れられなくても、喋られなくても。
きっと側に居る。
そう思える物語です。