白い翼の妖怪が少女を守る。いつか君に僕が見えなくなっても

ヒロインの志保には幼い頃から「妖怪たち」が見えてしまう。そのために友達ができず、寂しくて泣いていた彼女に手を差し伸べたのは、少年の妖怪「木葉」だった。

白い翼を持つ木葉は悪い妖怪たちから志保を守る。さらには「寂しさ」からも。2人は幼馴染みのように、あるいは兄妹のように仲良く成長し、やがて、友情が恋に変わった。

しかし、大人になるにつれて、志保には木葉が見えなくなっていく。さらには、一緒にいるだけでも大きな代償を払わなければならなくなる。人と妖怪の悲しい定め。

このまま別れるのは嫌だ…!
志保と木葉が悩んだ末に出した結論は――。

2人のキャラが愛らしく、別れの切なさが胸に迫ってくるような物語でした。

よくできた物語は寓話的な意味を持つものではないかと思うんですが、この作品はまさにそう。表面的に描かれていることを超えて、子供から大人になるということ、愛するということ、誰かを守るということ……いろいろなことを考えさせられました。

もちろん、難しい話ではありません。木葉の差し伸べた手を志保が握る場面、漫画のセリフを借りて愛の言葉をかわす場面、夏祭り、遊園地でのデート。志保にしか見えない木葉とのやり取りに、クスッと来たり、ときめいたりする場面がたくさんあります。

そして、志保にも木葉が見えなくなる日が近づいてくる
(木葉からは見えるのがまた切ない)。

2人はその試練をどう乗り越えるのか?
ぜひ本編を読んでください!

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