側に居る。君の瞳に映らなくても、俺は君の側にいる

志保は幼い頃から「妖怪」が見える体質だった。
そのことで怖い思いをしたり、辛い思いをしたりしたのだけど……。

中には、わかり合える「妖怪」もいたりして……。

その妖怪の一人が、木葉だった。

志保は、木葉と一緒に過ごすうちに徐々に心を通わすようになるのだが……。

だんだん。
……だんだん、ね。

見えなくなるんですよ。
志保ちゃんが。
妖怪のことを。

でね。
志保ちゃんと深くわかり合えている木葉だって「妖怪」なわけでね……。

……ここまで読んで頂いたら……。
なんとなく、気づいて頂けました?

そうなんですよ。

見えなくなるんですよ。
木葉のことが。

この二人が、最終的に出した結論とラストまでの展開に涙が……。
あ。
今も思い出して涙が……。

この二人だけじゃない。

二度と会えない別れが訪れたとしても。

きっと側に居る。
見えなくても、触れられなくても、喋られなくても。
きっと側に居る。
そう思える物語です。

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