自分よりも大切な存在があると気づいた二人の決断とは――
- ★★★ Excellent!!!
妖怪が見える志保はある日、自分と同じくらいの年齢の男の子、木葉と出会った。
妖怪が見えるという事で小さい時から孤独を抱えていた志保は、妖怪が苦手だった。
木葉も妖怪であったが、一人ぼっちだった志保に話しかけてくれたり、別の妖怪に襲われてピンチに陥っていた志保を助けてくれたりした事で、定期的に会うようになって、友情が次第に恋に変わっていく。
しかし運命は残酷で、二人が一緒にいられる時間は短かった。
自分よりも大切な存在に気づいた二人が悩みに悩んだ末に行きついた結論は、悲しくて切ない、だけど幸せな未来へと続く希望を残す事だった。
志保の純粋でそれでいて強い想いが読み進めていく度に心に響いて、時には涙し、時にはもどかしさで唇を噛んだりと、感情移入しながら読みました。
志保と木葉の心の揺れを丁寧かつ繊細な文章で綴られており、間違いなく『泣ける』小説です。
自分よりも大切なもの。
貴方にはありますか?
私はまだ見つけられずにいます。
正直、二人が羨ましくなりました(^-^)