第四話~ぬまち

メガネが目を覚ますと陸に寝かされていた。


「ここは…」


メガネは痛む体を動かし辺りを見渡す、近くにはかばんが寝ていた。


「…バスは…」


メガネはバスを探しに行こうと立ち上がり歩き始めた、数歩歩くとバスが陸に上がっていた。

しかしだいぶ泥で汚れて、黄色いボディがほとんど茶色くなっていた。


「…他のフレンズ4人が居ない…」


その時メガネの腰についてるトランシーバーから音が出始めた。


「ザッ…メガネ…ザザッ生きてるか?ザーー応答しろザッ…メガネザザッ…」


メガネは急いでトランシーバーを取り、応答した。


「こちらメガネ!生きてる!」

「良かったザッしかし、ザーーこのザザッランシーバーザーー通ザーー悪いザザザ今ザッ何所にいるかザッわかるか?ザーーザッ」


メガネはトランシーバーのアンテナを伸ばしその後GPSを起動した


「おっ…ましなった」


ボウシの声がトランシーバー越しに綺麗に聞こえるようになった


「ボウシ…現在地は、サンカイエリアとアンインエリアの境目ぐらいだよ…はぁ二度と高架道路に乗りたくない」


メガネはため息をつきながらGPSをしまう。


「知ってるぞジャングルスカイウェイから落ちたんだってな、他のメンバーはどうだ?」


メガネはチラッとかばんの方を見るまだ、寝ていた。


「一応対象は無事だけど道案内役と対象の友達3名が行方不明…」

「何?行方不明?…困ったな…取りあえず探して一緒に連れてきてくれ、彼らが居ないと進まない…」


メガネは首をかしげながらバスのバッテリーを引く抜く


「何で対象以外も必要なんだい?」


ボウシは少し黙ってから言う


「フレンズはヒトと関わることでどの様な変化がそのフレンズに現れるのかということを調べるためだ…そうだ、ハンターズの方は割と順調だ今うちの隊員がホッカイの通信塔を修理してる、もうじき終了するだろう…」


メガネの顔が明るくなる

「本当!?もう少しで帰れるんだ!」

「いや…わからん、そもそも俺達は長いことサンドスターに犯された…俺に当たっては半人半フレンズだ、政府や旧パーク当局のお偉いさんはあまり俺達を公に晒したくない筈だ…」

「つまり?」


メガネは不安そうに聞く


「…俺達の通信を無視するかも知れん…」

「そんな!」


メガネは叫んだ


「良いか…あくまでこれは仮説だ、きちんと助けに誰かが来るかも知れない…」


メガネは黙ったままトランシーバーを握りしめた。 


「…メガネ、今は例の計画を最優先に考えろ、良いな?」

「…うん」

ボウシは通信を切った。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

パークセントラルセルリアンハンターズ本部


ボウシはメガネとの通信を切ると椅子から立ち上がり、自室から出た。


「ボウシさん!」

「ん?」


廊下を歩いているボウシにアイアイが声を掛ける。


「えっと…一応、訓練が終わりました…!今回の新兵の皆さんは、何所に派遣しましょう…?」

「ご苦労さま、君のような優秀な教官が居てくれて本当に有難い、派遣か…そうだな、アンインはまだ危険だからシコクとキョウシュウに半々で頼む」

「判りましたっ!」


アイアイはそう言うと走って今来た道を戻っていった。


「さて、ヘリの準備をするか…」


ボウシはヘリポートの方へ歩き始めた。

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「うう…ん」


かばんが目を覚ますと近くにはメガネが座っていた。


「おはよう、かばんさん」

「う…ん?サーバルちゃん…?」

メガネはため息をつき答える

「僕はメガネだよ、サーバルは行方不明だよ…」


かばんは飛び起き辺りを見渡す。


「本当に居ない…サーバルちゃん…」


かばんは不安そうもう一度辺りをゆっくりと見渡す、すると遠望から声が聞こえてきた


「かばんさーん!かばんさーん!」

「!?アライさん!」


かばんは声の主に手を振りながら大声で返す


「ここでーす!アライさーん!」


その後すぐに4人のフレンズは合流した。


「君達は何所に行ってたんだい?」

「アライさん達は引っ張るナワ?を探していたのだ!」

「引っ張る?何を?」


アライさんが指差す先には沼にはまったフレンズが居た


「え!マズイ!早く助けに…ってウアア!」


メガネがそのフレンズの方に走ると足がズボッとはまってしまった。


「こうなっちゃうんだよね~」

「はいはーい私がジャンプで行くのはどう!?」


サーバルが手を挙げて提案する


「それだと帰って来れなくなっちゃうんじゃないかな?」

「確かにかばんの言うとおりだここは沼だし一度はまると中々抜けられない…」


メガネはそう言いながら自分の腰のポーチを漁り始めた。


「何かありました?」

「いや、一様ロープはあったけど長さが足りない…」


メガネが取り出したロープはせいぜい3m程しか長さがしかなかった、それに対してタヌキがはまっている所までは軽く10m程あった。


「…お困りかい?」

『!?』


皆がその声の主の方を一斉に向いた


「私はイリエワニ!よろしく!」


そのフレンズは看板のような物を持って歩いて来た。


「それで、今どんな状況?」

「あそこにいるフレンズさんが沼にはまってしまって、出れないみたいなんです…」

「成る程…」


イリエワニは少し考えて取りあえず看板を置いた。


「何か引っ張る物はなかったの?」

「一応、長さが足りないけどロープはあるよ」

「ろーぷ?…ああそのツタみたいな奴ね」


イリエワニはメガネが差し出した物をよく見て頷いた。


「じゃあそこのお姉さん」

「ふぇ!?」


サーベルタイガーは少しビクッとして反応した。


「その、棒みたいなのを貸してくれる?」

「別に良いけど…」


サーベルタイガーはそう言うとかばん達から貰った紙飾りがついたサーベルではなく、鞘の方をイリエワニに渡した。


「おっ!それかわいいね!」

「えへへ…作って貰ったの…」

「アライさん達が作ったのだ!」

「へぇ…」


イリエワニは鞘にロープをくくりつけタヌキに投げた。


「それっ!」


しかし、残り僅かの距離で届かなかった…


「…これでも届かないのか…」


イリエワニはロープをたぐり寄せ鞘をサーベルタイガーに返した、何故か汚れはついていなかった。


「いったん作戦を練ろうか…」


メガネはそう言うと双眼鏡を探し始めた。

サーバルはイリエワニの持ってきた看板に乗って遊んでいる。


「…?まさか…あの子寝てる?」

「え?メガネさん、ちょっと貸して下さい」


メガネはかばんに双眼鏡を渡す


「本当だ!寝てます!」


その時だった、


「たのしー!見てみて!この板滑るよー!…あっ!うぁぁぁぁ!」


板に乗っていたサーバルは滑って沼に板と一緒に落ちてしまった。

サーバルは何とか沼の上でバランスを取って板の上に立っていた。


「みてみて!かばんちゃん!!すごいでしょ!」

「わぁー!サーバルちゃん!凄い!!」

「確かにあのバランス力は凄いな…」

「えっへん!」


それを見てかばんが思い出す


(確か図書館の写真集って言う本に板に乗っている写真が…たしか…さーふぃん?)


かばんはまるで考える人の像の用に考えていた。


「皆さん!ちょっと試してみたいことがあるんですが…」

『?』


かばんの作戦はこうだ、まず1人が板に乗りある程度までの近づく、近づいたら沼から引き上げ、板に乗せる、そして陸にいるのこりの奴らで板をロープを使って寄せる。


「成る程…潟スキーみたいな感じか…」

『がたすきー?』

「いや、気にしないで…」


そこでイリエワニが板に乗り、タヌキを引っこ抜くことにした。


「ZZZ…ふわぁ…」

「まだ寝てるね…」


イリエワニは腹這で板に乗り、順調に近づいていった。

そして、タヌキの元に辿り着いた!


「おーい、起きろー」


イリエワニが声を掛ける


「はうっ!あ…えー!!ウチどうなってるんです~!?」


タヌキが大声で叫ぶ


「ま、まさか、今までのこと記憶にないのだ!?」

「ないみたいだねぇ~」


タヌキがイリエワニによって引っこ抜かれた


「それじゃあ!皆さん!お願いします!」

『せーの!』


皆が一斉に縄を引っ張りゆっくりと陸に戻された。


「あ、ありがとうございます~ウチ、セルリアンに襲われて逃げてたら落ちて、気付いたらここに…」

「セルリアン…ということはまだ近くに居るのかも…」


噂をすれば、メガネの端末からピーピーと音が鳴り始めた。


「何々!?音が鳴ってるよ?」

「セルリアンなのだ!?」


メガネは急いで端末を取り出すといきなり大声で言った


「皆!!早く!早くバスに!!」

「わ、わかりました!!」


するとイリエワニがメガネに近づいてきた


「メガネ、だっけ?ここは私”達”が食い止める、この先にしせつがある、そこに行って!」

「私達?」

「皆!!!」


鶴の一声、ワニのフレンズが集まってきた


「姉さん!呼んだ!?」

「今からセルリアンが来る!皆で止めるぞ!」

「わかった!まかせて!」

「ありがとう!皆!」


メガネはお礼をし、バスの運転席に乗り込んだ。


「ラッキービースト!最高速度で付近の施設へ!」

「マカセテ」

「皆!掴まって!」

「お任せなのだ!」

「はーいよー」

「わかりました!」

「わかったよ!」

「わかった…!」


バスは最高速度で走り去った…


「さて、私達も頑張らないとね…」

イリエワニはバスが走り去ったのを確認するとセルリアンに向き合った…


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~パークセントラル~

ボウシはヘリの修理を終わらして、一度部屋に戻り、装備を整えていた。


「ボウシさん…」

「ん?…アイアイか…」


ボウシは準備が終わった道具一式を腰に着けて振り向いた。


「あの…何所に行かれるんですか?」

「…ちょっと、迎えに行く」

「…わかりました、メガネさんですか、」

「アイアイ、訓練を頼む、それと、良く足音を消していた、全然気が付かなかったぞ」

「あ、ありがとうございます!」


アイアイの顔が明るくなった。


「それじゃあ、行って来る…」


ボウシはヘリへ向かっていった

その後アイアイは少しボウシの部屋の2つの写真立てを見た。

一つはかなり昔の写真のようだ、ミライさんと、カコ博士、コン、メガネ、そしてコヨーテが写っていた。

もう一つはかなり最近の写真のようだ、誰かは解らないが、エゾオオカミとヒト3人、タイリクオオカミ、イエネコらしき人物そしてボウシとメガネが写っている、背景は何処か解らないが大きな建物の用だ…

全ては繋がっている…

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

PPP予告ぅ~

プリンセス「今回はボウシさんについて予習するわよ!」

ジェーン「ボウシさんってゴコクの色んな フレンズに知られてますよね」

イワビー「私達よりも有名人なのかもな!」

フルル「あいどるなのかな~?」

コウテイ「それなら今度歌ってみて貰いたいな!」

プリンセス「次回、きちお楽しみに!」


パッパッピピペッポッポッパッポパッパペパプ♩







 







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