第五話~きち

かばん達はジャングルの山岳地帯を急いで 抜け、サンカイちほーへ到着した。


「暑いよ~」

「本当に暑いね…」 

「ここはフェネックが住んでいた砂漠ちほーみたいなのだ!」

「そーだねー少し懐かしいのさー」

「暑い…サーベルが凄い熱い…」

「どれどれ…うぁっ!あっっっつ!それ外しといた方が良いよ…火傷しそうだ…」


そんな会話をしていると急にバスが停車した


「ん?なんで止まったのだ?」

「みゃ~暑いよー…」

「ちょっと待って、あと少しで涼しくなるから…」


メガネはそう言ってバスを降り、少し砂が急になっている所に行き、何かを探し始めた。


「多分ここら辺に……あった!」


メガネがボタンを押すと砂に埋もれかけていた3メートルはある扉がゆっくりとスライドして開いた。


「すっごーい!何あれ!かばんちゃん!何あれ!」

「ボクにも解らないな…メガネさんに聞いてみようよ」

「解った!やってみる!」


サーバルは戻ってきたメガネの座席に飛び付く。


「あれどうやってやったの!?なにあれ!」

「あー…えーっと…あれは自動ドアで…これから地下のトンネルを通ってパークセントラルに行く為の入り口だよ」

「それよりもメガネ!暑いのだ!早く涼しいところに行くのだ!」

「そうだね、皆、席について」


メガネはアクセルを踏み、トンネルの入り口へ行く、そしてドアは閉まった。

トンネル内は真っ暗で何も見えない。


「あー…電気が通ってないのか…」


メガネは懐中電灯を取り出して付ける。


「うっ!眩しい…」

「なんなのだ!ひ?なのだ!?」

「ボクも初めて見ます…」

「なんかサンドスターみたい…」

「…メガネさんこれはなんなのさー?」

「これは懐中電灯って言って火を使わずに灯りを付けることが出来る機械だよ」

「成る程…」


かばんは頷きながら何かを考えている。

するとサーバルとフェネックの耳が何かを感じ取る。


「何か来るよ!」

「多分セルリアンかな~?」


メガネが恐る恐る光を当てると、トンネルの入り口付近に30体ほどのセルリアンがうじゃうじゃといた。


「マズイ!セルリアンは灯りに寄ってくるんだ!」


メガネは急いでアクセル全開でトンネルを走り出した。

セルリアンも負けじと追ってくる。

すると一体がバスに飛び付き、中に入ってきた。


「うぁぁ!」

「任せて!自慢の爪でやっつけちゃうよ!」


パッカーン


サーバルがセルリアンをやっつける。

すると次々にバスにセルリアンが追いつき、侵入する。


「それっ!ハッ!」


サーベルタイガーがサーベルで2体ほど切り刻む。


「カッコいいのだ!サーベルタイガー!」

「凄い!本当にカッコいいです!」

「そ、そうかな?ありがとう…」

「やっ、やばい!!」


メガネがそう叫びバスが急停車する。


『うぁぁぁ!!!』ドチーン


後部車両のフレンズは座席から投げ出されてしまった。

そしてメガネはハンドルの頭を強く打ち付け頭から少し血が垂れていた。


「イタタ…どうしたんですか?」


かばんがメガネに聞くとかばんも察した。

トンネルの天井が抜け落ち、道は塞がれ、天井に大きな20M程の大穴が空いていた。

そしてセルリアンがジリジリと迫ってくる。


「どうしましょう…」

「…」


メガネは黙り込んでしまった。


(ここはトンネル内、電波も余り飛んでないし、ボウシの助けは得られないだろう…それにこのセルリアンの量…バスを捨ててしまえば…いや、流石に徒歩では無理が有る…)


フレンズ達は既にもうセルリアン達と交戦していた。


(何時まで持つんだろう…もはやここまでか…)


メガネがうつむきかばんに謝罪する


「かばん…ごめんなさい、君達をこんな目に遭わせてしまって…申し訳ない…」

「メガネさん…」

「あっ!かばんちゃん!そっちに!セルリアンが!」


サーバルが叫ぶとセルリアンがかばん目掛けて飛んできた。

それを逃さずにガスガンでメガネが仕留める


「失敗の埋め合わせはここでさせて貰うよ!」


~15分後~

パチッ…

「はぁ…はぁ…弾切れ…!」

「はぁ…流石のアライさんも疲れたのだ…」

「私も流石に疲れたよ~…」

「私も疲れた…」

「皆…!まだセルリアンが来るよ!」


サーバルが指をさすと再びセルリアンが一斉にやって来る。


(もはや…ここまでか……ん?)


バラバラバラバラバラ


「なんでしょうこの音は…」


バラバラバラバラバラバラバラバラバラ


「もしかして!ボウシ!!!!」


メガネが羽音に負けじと叫ぶ。


「ザッ皆でザザッバスザッ乗れザーーー」

「了解!皆バスに乗ってしっかり掴まって!!」


フレンズ達は急いでバスに乗り込むするとヘリからワイヤーが降ろされてきた。


「ザッバザーーにザザッつザーーーろ」

「バスに付けろか!解った!」


メガネは急いでバスの前方、後方車両の四隅にワイヤーを取り付け、上空のヘリに向かってグッドマークをした。

するとヘリは上昇しだし、バスも浮き始めた


「うぁー!ゆつえんちで乗った奴よりも高く上がるよ!」

「本当だ…サーバルちゃん、ちゃんと掴まってね…」


そしてバスは遂に地上へ出た、しかしバスを降ろすことなく、ヘリはそのままバスを吊したまんま飛んでゆく。


「あー…あー…聞こえるか?」

「ボウシ!聞こえるよ!」


通信機からボウシの声が聞こえる。


「どうだ?九死に一生を得た感じか?」

「本当にもうダメかと思ったよ…」

「またメガネが箱と話してるのだ…」

「あれは通信機だよ~アライさぁーん前言ってたのさー」


その後ヘリは砂漠をひとっ飛びしてパークセントラルに到着した、過去は賑わっていた パークの中心の大都市だったが、今は殆どのビルが廃墟である。

そんなパークセントラルだが一部の区画が ボウシ達によって基地に改造されていた。

その基地のヘリポートにヘリはバスをゆっくりと降ろした。


「先に基地に入っとけ…ああそれとかばんは俺が連れてく」

「見せたい物?それはなんだい?」

「人の縄張りを教える、そして現実も…」

「解った…かばん!君は上のヘリコプターに乗って貰うよ」

「えっ!サーバルちゃんは…」

「へーきへーきかばんちゃんなら1人で  大丈夫だよ!」


かばんはうん!と言って頷き、上から下ろされたワイヤーを付けて貰った腰の金具に  カラビナで固定する。


「それじゃあまた後でお話しするのだ!

かばんさん!」

「きおつけてね~」

「かばんちゃん!頑張って!」

「きおつけて…!」

「それじゃあ上げるよ、ボウシ!!」


ワイヤーが凄い勢いで巻き上げられ、  かばんはヘリの側面のドアに掴まる。

そして自力でヘリの中に入る。

操縦席にはブーニーハットを被ってオリーブのジャケットを着ている者がいた。


「やあ、初めまして俺はボウシ、セルリアンハンターズの隊長だ」

「あ、あの!メガネさんから聞いたんですけど…」

「解ってる…ヒトの縄張りをだろ?今から連れてってやる」

「あ、ありがとうございます!」

「しっかり掴まってろ!」


ヘリは一度速度を上げたと思ったら直ぐに 着陸した。


「降りろ、ここからは歩くぞ」

「解りました」


かばんはわくわくしながらボウシについていった。


道中、かばんはいくつからの質問をする。


「あの、ボウシさんはなんのフレンズさんなですか?」

「俺は、お前に近いがちょっと違うフレンズだ」

「それってどういう…」

「余り気にしない方が良い…よし、着いたぞ」


着いた先は空港の管制塔だった。


「ここからヒトの縄張りがよく見れる」

「昇るんですか?」

「ああ、歩くぞ」


ボウシはドアを開け、上に続く階段を上っていった、かばんはそれに続く。


「はぁ…はぁ…だいぶ歩きますね」

「あと少しだ…着いたぞ」

「…わぁ!」


管制塔からは都市が一望できた。


「これが人の縄張りだ、昔はパーク中がほとんどヒトの縄張りだった」

「パーク中…」


かばんはもう一度都市を見渡す


「だが、今はパークにヒトは…」


ボウシは何かを感じ取る。


「かばん、何か武器は持っているか?」

「えっと…一様この棒が…」


かばんは鞄から紙を丸めて作った棒を出した


「それじゃあダメだ…これを持っとけ」


ボウシは自分のナイフをかばんに渡す。


「何ですか?これ…」

「説明は後でする、今は自分の身を守る事を考えろ…」


すると次の瞬間ロッカーからセルリアンが 二体飛び出してきた!

そのうち一体はかばんの方に飛び付いていった。


「かばん!石を…あー…へしを狙え!」


ボウシはもう1本のナイフでセルリアンの石を突き刺す。


「うあああ!」


かばんはセルリアンをナイフで抑える。


(純粋なヒトのフレンズ…まだセルリアンと互角に戦えない…)


ボウシはナイフを投げてセルリアンを床に固定して、拳で石を割った。


「あ…ああ、ありがとうございます…」

「ああ…クソッ…マズいな…日が落ちてきた、急いで基地に戻るぞ」


ボウシとかばんは急いで階段を駆け下りる。

ボウシとかばんはは急いで滑走路に出て、 ヘリのエンジンスタートをする。

その音に釣られてセルリアンがワラワラと 集まってきた。


「ああ…マズイ…かばん!これで牽制して くれ!」


そう言うとボウシは電動ガンをかばんに渡した。


「その引き金を引くと球が出る、それを  セルリアンにむけて撃ってくれ!」

「わ、解りました!」


かばんは引き金を引く、するとBB弾の様な物が大量に出された。


「よし!その調子だ!」


そしてヘリは上昇を始めた。


「よし、もう撃たなくて良いぞ…」

「はぁ…はぁ…何であんなに…セルリアンが多いんですか…」

「あそこはヒトの思い入れが強い所だからな…セルリアンも大量に生まれる訳だ…」 「成る程…」


基地に到着するとかばんは一つ決心をしていた。


「ボウシさん…」

「なんだ?」

「もし、良ければボクにセルリアンとの戦い方を教えて下さい!」

「…」


基地を静寂が支配する。

そしてボウシの口から一言発せられる


「断る」

「…え?」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

PPP予告ぅ~


プリンセス「今日はハンターにいつて予習するわよ!」

ジェーン「ハンターの皆さんはいつもセルリアンを退治して私達の安全を守ってくれますよね」

フルル「ハンターの皆はカッコいいよねぇ~」

イワビー「ヒグマはいつもパーク中のセルリアンを倒してるぜ!」

コウテイ「そう言えばボウシのセルリアンハンター何だってな…」

プリンセス「次回、てつだいお楽しみに!」


パッパッピピペッポッポッパッポパッパッペパプ♪


















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る