さあ行こう。走り出せ。幼き日の熱情が、まだ潰えていないのなら。

幼い頃に「ヒーローになる夢」を打ち砕かれ、その傷にいまだ苛まれる大学生が、それに向き合い、立ち向かい、そして––––、
と、この続きはぜひ本編にて、あなた自身の目で確かめて欲しいのです。

特筆すべきはキャラ個性、そして、対峙すべきラスボスとの因縁。
主人公はごくごく普通の大学生……いや、普通よりは無気力気味の若者であり、感情的に未熟で捻くれた部分があります。
しかしその本質を見抜いている親友が側におり、彼と、うっかり体験入部することになった文芸部の面々に引きずられるように、その「素質」が開花していくことになるのです。

たとえ相手のやり方が「悪手」だとしても、それに対抗する手段が「悪役」であるべきではない。
彼らの信念が花開くラストの展開はまさに、「正義のヒーロー、文芸部」。
非常に読み応えのある作品です。
ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。

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