物語の結末はどこへ向かうか。新感覚、試行型サスペンスのSF群像劇作品!

 絶海の孤島に設けられた館「トマス・プランテーション」に呼び寄せられた、十名の「エージェント」。
 館の主ウエサワ氏は不可解な死を遂げ、その発見と同時に滞在者たちへ死亡した当人から音声メールが届く――という、一見すればミステリー小説の定番らしく始まるこの物語。しかし、タイトルにもあるように、主軸は推理ではなく、試行なのです。

 第一の主人公は、軍人レスター。彼の視点(一人称)を通して、この舞台と事件の概要、大まかな登場人物を知ることができます。SFであり、世界は滅びの危機に面しています。滞在者十名の中には人外が紛れ込んでおり、人間側が人外を見つけ出して排除しない限り、デッドエンドは避けられません。
 では人外は何名で、誰で、どういう手順を打てば勝利を掴めるのか……?
 第一章(資料一)のみでは解決に至らず、むしろ試行を繰り返すごとに謎が深まってゆきます。

 同じ事件でも、主人公が変わると見え方、手の打ち方も変化する。小さな差異が生死を分けることもあり、秘せられていた情報を開示する一手になることも。最後に勝利するのは人間か、人外か、それとも――?
 ぜひご一読ください。

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