キャッチコピーが、『この世界に主人公はいない』なのが、まさにこの物語の核心を衝いていると思われます。その回ごとに主人公の視点が変わり、時に生き残り、時に即死亡し、時に人外として人間を亡き者にする。
舞台は、惑星・ピセムにある絶海の孤島「トマス・プランテーション」
彼らの中には、"人外"という名の人殺しモンスターが紛れていて、人外側は自分たち以外の人間を殺すことを、人間側は人外を見つけて排除することをそれぞれ目的としたSF系人狼サスペンス。
役職があって、朝食の時に人狼ゲームのように犯人を捜すというのも、かなりそれっぽい演出で、人狼系が好きなひとはこの時点でわくわくしちゃうかも。
しかしながら、非力な人間側が人外にやられてしまう描写は残酷で、性的な描写も所々あったりします。私はグログロ大丈夫なひとなので、ここまで振り切っている作品は評価しちゃいます。無駄なものはひとつとしてなく、作品に必要な描写であり、それも含めて作品の色だと思っているからです。
最期に生き残るのは人間か、それとも人外か。
閉ざされた孤島で、"主人公不在"のサスペンスが始まる――――。
とにかく読んでみてから、合うか合わないかを確かめて欲しい作品。
推理もの、サスペンス、人狼系が好きな方には刺さる作品!
ちなみに私は、現在進行形ですごく楽しめてます(*'ω'*)b
トマス・プランテーションに集められた、軍人、美女、社長、奇術師、シェフ、ニート……。(他にもいる)
そこは逃げ出せない場所。
殺人事件がおきる。
犯人は誰だ!
この物語の面白いところは、この殺人事件の流れを、主人公をかえて、何回か繰り返す事です。
視点が変わり、あらたに分かること。
それだけでなく、主人公がかわり、行動が変わり、導かれる結末が変わってきます。
物語のあちこちに、効果的に伏せ字がしてあります。
物語が進むにつれ、その伏せ字が解放され、なんと書いてあるのか読むのが快感です。
次の主人公は誰?
結末はどうなるの?
読者はワクワクしながら先を読めるでしょう。
セクスィな場面や、女性が平手打ちされるなどの暴力の描写もあるので、残酷描写が苦手な方はご注意。
でも、面白いですよ!
群像劇で1人称多元の珍しい「サスペンス」小説です。
内容としては、とある場所に集められた10人に対し、とある大きな事件が起こります。しかし、奇妙な事にその事件の当事者から、とあるメッセージが届くのです。
この小説の面白さは視点です。1人称多元という珍しい手法をつかって、同じ物事に対し、視点が変われば思考はどう変化するのか? そこにこそ、この物語の楽しさがあるわけで、ミステリーの深みがある訳なんですが、私としては、この物語は、ミステリーというよりサスペンスかなと思います。あ、いやいや、もちろんミステリー的な面白さはありますよ、でも、この視点を変えるからわかる何かが、なんというか、サスペンス的なものをかんじちゃったりするんですよね。私。
という感じで、既存の小説の枠を超えている感じがする小説でして、ちょっと私は上手く表現することはできないですが、ミステリー好きな人には刺さる小説だと思います。ただ、読了感はミステリーじゃないと感じる人もいるとは思うのですが……。
といかく不思議な小説です!
絶海の孤島に設けられた館「トマス・プランテーション」に呼び寄せられた、十名の「エージェント」。
館の主ウエサワ氏は不可解な死を遂げ、その発見と同時に滞在者たちへ死亡した当人から音声メールが届く――という、一見すればミステリー小説の定番らしく始まるこの物語。しかし、タイトルにもあるように、主軸は推理ではなく、試行なのです。
第一の主人公は、軍人レスター。彼の視点(一人称)を通して、この舞台と事件の概要、大まかな登場人物を知ることができます。SFであり、世界は滅びの危機に面しています。滞在者十名の中には人外が紛れ込んでおり、人間側が人外を見つけ出して排除しない限り、デッドエンドは避けられません。
では人外は何名で、誰で、どういう手順を打てば勝利を掴めるのか……?
第一章(資料一)のみでは解決に至らず、むしろ試行を繰り返すごとに謎が深まってゆきます。
同じ事件でも、主人公が変わると見え方、手の打ち方も変化する。小さな差異が生死を分けることもあり、秘せられていた情報を開示する一手になることも。最後に勝利するのは人間か、人外か、それとも――?
ぜひご一読ください。
面白いと言ってもゲラゲラ笑うタイプの面白さではありません。
大変興味深い試みという意味で、「面白い!」と腕組みしてしまう面白さなのです。
タイトルの副題「主人公が変わると物語の結末は変わるのか?」が、
この作品で行われる試みを示しています。
「ちょっと何言ってるか分からない」って?
比喩でも何でもないんです、同じ舞台・登場人物・事件で視点主人公だけを変えると、
物語の結末に変化は生じるか? という実験小説なんです。
物語の舞台は閉じられた空間、
登場人物は10人の人物、ただしその中には人殺しを行うモンスターが紛れている。
主人公は人間側だったり、人外側だったりします。
興味を惹かれたらぜひ、読んでみてください!
同じ事件が繰り返されるはずなのに、少しずつ明らかになっていく部分もあったりして、目が離せなくなりますよ!
掴みがとても心にくる、そして情報の置き方がとても読み手の心をくすぐってくる作品でした!
このキャッチーなフレーズが検証結果そのものを表しているのかもしれませんが・・・
レポート的に描かれたあらすじとそこからの始まり。大作映画の始まりのように読み手側が気持ちを切り替えて臨むことができる素敵な導入です!
また、説明されたキャラの背景と口調が見事にマッチしているので、初回から登場人物が多数いるにも関わらず視線がブレません・・・何度も練り込んでキャラ付けをしたのかは私には分かりませんが物語上の立ち位置がとても明確に頭の中に描かれました!
そして現在レポート(章)として1から2の合間まで読み進めていますが、密室スリラーならではの臨場感が味わえました!
さらにいえば、レポートとしてここから視線が変わった形でレポート2としての結果を追いかけることになっていくはず!
歯抜けのレポートに刻まれていく形で示される経過というものが、物語に吸い込まれた読み手をふと現実に戻してくれるのですが、完成するまで何を示しているのか分からないパズルを解くようなワクワク感に包まれています!
まだ全てのレポートは公開されていない状態です!
ぜひともみなさんもこの検証に立ち会ってみてはいかがでしょうか!
館で起こった殺人事件の犯人は【人外】だった。人間の中に潜む人外を見つけろ!のサスペンスは人狼ゲームを思わせる仕組みですでに大好きです。
でもこの作品は、主人公が代わって、何度も何度も同じ事件が繰り返されます。時には人外側が主人公に立つ時もあって、その奇妙さにゾクゾクしつつ、回を繰り返すごとにそれぞれの登場人物の深さが見えてきます。
古のノベルゲームみたいでサクサク読んで、次はどうなるのどうなるのー!!ってのめり込んでしまいました!
主人公が変われば物語の結末は変わるのか?!のテーマにどんな回答がなされるのか楽しみな作品です!
サスペンスノベルゲーム大好きな人にはぜひ読んで欲しい!