第8話3.11世界青年部総会―1
65か国世界青年部総会だ。
約75万人が同時に中継でつながり勤行をするという
広布史上初めての試みだ。
60年前の3.16広宣流布の模擬試験にちなみ
広布青年を75万人動員しようという記念式典になった。
6000人から75万人へ。広布後継の集い。
それは世界に広がった。
我が地区には15名の青年がいる。
去年入会した仁君もメンバーだ。
うちの金吾もその一人。さてどうしたものか。
歴史に残るこの式典に何とか二人とも参加させてやりたい。
60年前のこの式典には急遽6000人の若者が富士の麓に集まった。
中には何もわからずお碗と箸とを持って駆け付けた者も多くいた。
それが今広布史に残る模擬試験になったのだ。
Y本部長が1週間前に金吾に面接している。入場券と案内チラシは受け取っているはずだが。
金吾はこの1年病院からの診断書をもらって就業不可能と思われると書いてある。
それでもこの2月に先輩からの紹介で京都駅清掃のバイトに朝早くから通っている。
ちょうど1っか月がたとうとしている。
「金吾!間もなく一か月になるのかなあ、何とか続けられそうやな」
「そやな、早朝で人ともあまり会わんし先輩への恩もあるし」
「そうか」
そう言って私は金吾に一万円札を手渡した。
「これ就業祝いやとっとき」
「ほんまええんか、ありがと」
「ええんや。あさって総会に出てもろうたらうれしいんやけどな」
それを聞いて嫁さんがその晩私に、
「ほんまに行くて言うたんかいな?」
「しらん、気が向いたら行くやろ」
「無理して行かんでええ言うとくわ」
翌日、
「千円二千円やったら行かんけど1万円やから行くわ、言うとったわ」
私はうれしくなって当日会館まで金吾を送っていった。
仁君もその日夜の部に参加してくれたそうだ。
最高の青年部総会75万分の2。バンザーイ!!!
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