打ち上がる花火に照らされた蒼は、淡く美しく輝く。

学生らしい良い作品でした。

この作品のもっとも良いところは、読者が花火を見上げる主人公・蒼に自らを投影できるところでしょうか。

様々な花火、指の動きに合わせて、彼のドキドキが読者に伝わります。物語の着地点がわかっていても、もしかしたら、と思わせるところは、作者様の一夏での成長を感じます。若さと伸びしろ、羨ましい限りです。

遠くに打ち上がる花火の美しさも良く伝わりました。少し用語に頼りすぎたかなという部分もありますが、それもまた日本語で表すことができる花火の美しさ。

ラストの情景も綺麗ですね。けがれを知らない純粋な二人が微笑ましく、羨ましくなっちゃいます。そして何より応援したくなるのも作者様の描き方の賜物でしょう。良かったです。