カクヨムで掲載中の「騎士団の金庫番」(書籍購入済み)が気に入って、
作者の他の作品を探していて見つけた作品。
書籍2冊読んで、カクヨムでWEB版があったと知り、掲載文は全部読了。
魔獣を変えて、書籍と大筋でお話が前後している部分。書籍にはなかった部分。
微妙に変わっていてどっちも面白い。
書籍WEBとも、続きがとっても気になる。
普通、転生物は中身大人で外見10代とかよくあるけど、
「金庫番」もこれも若者と言うには、社会人の経験があって落ち着いて、
大人と言うにはまだちょっと若い、20代後半から30代前半。
恋愛も苦難もこれからって感じの良い年齢設定だと思う。
転生、転移物は主人公が一般常識からすると未成年が多いので、
そういう意味でも仕事とプライベートにがんばる主人公達が好き。
ゆっくりで良いので活躍ぶりを読ませて頂けたらと思う。
禁猟というのは難しいテーマの一つだと思う。なにしろ人間が人間の都合で決める規則だし、そのどこまでが妥当かなんて人によって感覚が違う。
なので異世界であってもイデオロギー的なものがどうしても見え隠れしてしまう部分はある。
おそらくだが、この作品は動物って可愛いよっていうのを伝えたい一方で、倫理の線引きにもひとつの答えというかガイドを与えたいのじゃないだろうか。作者の過去作からも、そういう提起が好きそうに見える。主人公も密猟団もある意味ではステレオタイプ的なのだが、そもそもの基準が曖昧なジャンルなので、その線引きを作者なりにトライするというところには一つ大きな価値がありそうに思う。そこが僕には大きなポイントだった。
主人公の恋愛や動物たちのキャラクターももちろん良いのだが、こうした倫理観に対して一定の答えを持って作品を出すスタイルにも好感だった。
それはさておきモフモフ。
長いタイトル、異世界転移、あぁ最近流行りのアレね、と思いきや、まずはじめに心を掴んだのは魔獣のモフモフっぷりだった。
フェニックスの雛や、カーバンクルのかわいさといったらもう……!
しかしこの物語の魅力はそこだけではない。
魔獣達を楽しみに読み進めていたはずが、いつの間にか主人公の気持ちにぐっとよりそっていた。
元の世界でも動物の密猟を取り締まる立場にあった主人公、タケトは、転移先の世界でも魔獣が好きそうだからという理由で魔獣密猟取締官に抜擢される。
異世界での生活や人間関係に戸惑いながらも、タケトは仲間達と奮闘する。
チートでもなければ特殊能力持ちでもない。精霊銃は扱えるが絶対ではない。
それでもタケトには何より大切なものがあった。
人間の勝手に巻き込まれる動物達を助けたい! という強い信念だ。
第一部を終えて、先が気になる謎もまだ残ったまま。
続きが楽しみである。
最新の5話まで読みました。
1話から濃厚な心理描写、そして読者を引きつける描き方、流石わかってらっしゃいます。ひっかかることなく、安心して読める、これが簡単そうでなかなか出来ないものです。
ここ数日気になっていたので、実は1話だけ読もうと思っていました。ですが、気づいたら、結局最新の5話まで、圧倒的ボリュームで読まされていました。素敵です。
物語的には、警視庁で動植物の密輸捜査をしていたタケト君が、魔獣の生息する異世界に転移してしまい、そこで魔獣密猟取締官の人たちと共に、絶滅に瀕する魔獣などを密猟者の手から守るというお話。
ただ彼が魔獣密猟取締りのお手伝いをするきっかけが、優しさに満ち溢れています。そしてそれは今後の物語の温もりを、良い意味で期待させます。もちろん、密猟のお話ですから、良い話ばかりではないでしょう。残酷な話もあるでしょう。それでもタケトたちの進む未来は、きっと優しさや愛に満ち溢れているのだと、私にそう思わせてくれました。
まだようやく物語の紹介が終わったというところですが、今後も引き続きご期待しております。