ただモフモフを愛でているはずだったのに

 長いタイトル、異世界転移、あぁ最近流行りのアレね、と思いきや、まずはじめに心を掴んだのは魔獣のモフモフっぷりだった。
 フェニックスの雛や、カーバンクルのかわいさといったらもう……!
 しかしこの物語の魅力はそこだけではない。
 魔獣達を楽しみに読み進めていたはずが、いつの間にか主人公の気持ちにぐっとよりそっていた。

 元の世界でも動物の密猟を取り締まる立場にあった主人公、タケトは、転移先の世界でも魔獣が好きそうだからという理由で魔獣密猟取締官に抜擢される。
 異世界での生活や人間関係に戸惑いながらも、タケトは仲間達と奮闘する。
 チートでもなければ特殊能力持ちでもない。精霊銃は扱えるが絶対ではない。
 それでもタケトには何より大切なものがあった。
 人間の勝手に巻き込まれる動物達を助けたい! という強い信念だ。

 第一部を終えて、先が気になる謎もまだ残ったまま。
 続きが楽しみである。

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