概要
この世界には目を背けたいものが多すぎる
田舎に暮らす芝崎賢太は、発達障害をもつ幼馴染である七瀬朱里の余命があと1ヶ月であることを告げられる。そこで彼女から「デートに連れて行って」という強引な頼みを渋々引き受けることになった。
巡る感情、残酷な世間、罪悪感、過去。
自分には向き合わなきゃいけないものがある────
巡る感情、残酷な世間、罪悪感、過去。
自分には向き合わなきゃいけないものがある────
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!せめてそのときまでは、七瀬のからだにやわらかな血潮が流れてほしい
ヒロインの七瀬の、自らのハンディに対する偏見を経て、そうなる『運命』にあると分かっており、ある程度諦めがある描写に並々ならぬリアリティがありました。主要登場人物が物語の中で、確かに呼吸をしていました。
そんな彼女から見た作中のカフカの『変身』の解釈が秀逸でした。
そう、彼女は脳の病気で余命があり、近々死んでしまうということすら、ある程度運命として受け入れようとしていたのかなと思い悲痛な気持ちになります。
最後のシーン、それでもかかえきれないものを打ち明ける彼女の心境、朝と夜で変わる海の色、全てに計算を感じました。うまい作りでした。