***

あとがき

 長い長いお話でしたが、本当は一月に起こっただけの物語でした。

 ご拝読、ありがとうございます。作者の小谷杏子です。


 一年以上も完結せずにのらりくらりとやってきましたが、ついに完結です。お読みいただいた方には本当に励まされました。地元ネタで超能力で神様系のラノベをこんなに長々と書いたのは実は初めてだと思います。

 作中、頻繁に出てくる博多弁と北九州弁にはひーひー言いながら修正をかけていました。それくらい、方言は使われなくなっています。思ったよりも方言を使う機会がない。でも、イントネーションや微妙な言葉のニュアンスで、地味に方言を使ってるものです。


 本作は、前々から考えていた「地元ネタ」で「超能力」の小説から「神様」をプラスしました。今流行りのアットホームなほんわか神様じゃなく、ハードでアクション強めでミステリーな内容をすぐに思いついていました。どうにも流行りに乗れないタイプです。

 さらに、登場人物がものすごく多い。書き始めは大した苦労じゃなかったんですが、黒崎編を書き始めてから気づきました。「しまったなー」と。あまりにも人が多すぎる。読みづらいのではないかと不安になりながらの黒崎編スタートを思い出します。

 そして、やはり恐れていたことが現実になり、私自身が物語を把握できなくなり、慌ててプロットを見直し、広げすぎた伏線を回収しまくりました。大変でした。回収しきれてなかったら、それはもう本当に申し訳ありません。お付き合いいただき、本当にありがとうございます。


 清水原とは実は長い付き合いです。彼の話を書く機会があって、本当に良かったです。面倒で謎。でも、意外と男気もあるし、結構普通のお兄さんのイメージです。

 狂言回し的な立ち位置だった玉城と祥山は、書きやすかったです。すごく助かる優秀な子たちでした。

 霧咲は名前と肩書「霊媒師」が気に入ってるので、スピンオフとか書いてみたいですね。彼女もお気に入りです。

 他にも、短編版で好評(?)だった大黒さん。もっと出番増やしたら良かったと後悔しています。ウカちゃんも弁天さんも恵比須さんも。神様たちにもスポットを当てたいですね。


 本作は福岡が舞台なので、いろんな場所を巡りました。一月にあちこち参拝したのはいい思い出です。気になった方はぜひ、博多と黒崎に遊びにきてください。


 駆け足で終わった「天神さまはお見通し!」ですが、まぁいろいろと謎を残してますからね……連作短編として復活することもあるかもしれません。そのときは、またよろしくお願いします。


2019.10.28

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

天神さまはお見通し!~修羅人と笑わない福神~ 小谷杏子 @kyoko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ