可愛らしい魔法少女の概念を楽しくひっくり返してくれる物語

最初から最後までしっかりと楽しいこの作品。
まずはとにかく読んでみて! とお勧めしたいのですが、レビューなので少し解説しておきます。

主人公の茉理ちゃんは素質からして最強の武闘派の女の子。
せっかくの魔法スキルも必要ないほどに圧倒的に強いんです。
しかも残虐なまでにその戦力差は圧倒的。

その茉理ちゃんを影から応援し続けているのが幼馴染の浩平くん。
可愛さの素質もばっちりな茉理を、まずは服装から可愛くしようと日々頑張ってます。

物語の主軸はこの二人の微妙な恋模様が描かれつつも、バイオレンス&コメディたっぷりに展開していきます。
さらに忘れてならないのはネコそっくりの宇宙人バニラ。
このかわいい白いヤツが毒舌をまき散らしながら、話を楽しく彩ります。

最初は完全無欠と思われた茉理ちゃんの戦いですが、ひょんなことから魔法少女をやめたいと言い出します。
ここからまた物語のギアが一段上がり、なんだかとんでもない方向へと話が転がりだします。

なぜか哀愁が漂う敵ボスたち、浩平くんの悲壮な決意、バニラの傍若無人ぶり、かみ合わない歯車ががっちりとかみ合って、物語はクライマックスへと雪崩れこんでいきます。

読みやすい語り口、ところどころに挟まれたコメディーの切れ味、なのにちゃんと物語として盛り上がる構成力。
物語の魅力いっぱいのこの作品。
ぜひぜひ読んで楽しんで欲しいです!

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