音無しき国の王

いつになったら、思い出せるだろうか。
どこへ行けば、思い出せるだろうか。
──染み付いた筈の心も失くしたまま。目指すべき泊も忘れたまま。
少年は、ひとりの少女に手を引かれ、終わりの惑星をどこまでも進む。

それは、空に棚引く一筋の白煙から始まった。
白煙は、眩い光を大地へと撒き散らし、世界を虚空と共に分断した。
──こちら、廃退した惑星。ここに、文献を残す。

終わりの果ての廃れた星で、一人の王様が目を覚ます。

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当作品は、前作『冥王星で待ってる』と一部リンクしている創作となっております。
前作を読まなくても問題なく楽しめる内容にはなっていますが、登場人物の過去が知れたり「あーこれって前作のあれか」って感じを楽しめるので前作を先に読むのが作者的にはオススメです。