幻想的な世界に息づく、リアルな心の通い合い

 不死の魔法使いたちが国に平和をもたらして百年。
 今では魔法使いたちも一般人として紛れて暮らしているという世界――。

 大学院(私たちの現実では大学に相当する学校)の学生リヴェルは、学院内の有名人ステラと出逢います。
 不幸な生い立ちを背負ったリヴェルは、彼女に惹かれるものの、距離を縮めることにためらいを覚えます。
 不運な過去を背負ったステラは、彼に惹かれていても、その気持ちがどういうものなのか、理解することができません。

 不器用ながらも、それでも歩み寄ろうとする彼らを不気味な敵が狙います。
 それは「魔法使い」絡みの敵――?
 
 ひとつの山場を迎えたあたりの、まだまだお楽しみはこれからの連載中の作品です。
 この敵がどんなものであるかが明かされるのは、これからです。


 ステラの登場シーンは圧巻で、美しいのひとことに尽きます。
 そして、リヴェルと出逢ったことで、変わっていくステラの可愛らしさがたまりません。
 彼女に対してドギマギして、奇行に走るリヴェルには、ツッコミどころが満載です。

 幻想的な世界観でありながら、そこに生きる登場人物たちは実にリアルで人間臭い――そこが最大の魅力だと私は思います。

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