概要
お人好しパティシエがお客の悩みを癒す、おいしいヒューマンドラマ。
中部地方にオープンした『魔法菓子店 ピロート』は、お人好しのパティシエ・蒼衣と、陽気な三十路のオーナー・八代の親友コンビが営む小さなお店。
魔力のある不思議なお菓子『魔法菓子』を売るピロートには、友人関係や職場、家庭の悩みや困りごとといった「人生のつまづき」を抱える客が訪れる。
星座が現れるチョコレートケーキ、体が宙に浮く雲のシュークリーム……。
蒼衣は客の心に優しく寄り添う一方で、十年前から見ないふりをしていた自身の「つまづき」に再度向き合うことになる。
友情・家族・仕事……この「世界」で生きるのが、時々しんどいひとへ届けたい。
「人生のつまづき」を不思議なお菓子で癒す、甘さと再生の優しいお
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!悩みがあるそこのあなた。魔法菓子で少し休憩しませんか?
お人好しのパティシエ・蒼衣と陽気なオーナー・八代が営むお菓子屋さん『ピロート』。お店に並ぶのはケーキやシュークリーム、マドレーヌなど、とっても美味しそうで素敵なお菓子。でもただのお菓子ではありません。魔力の込められた特別な「魔法菓子」なんです。
日常の中に、ごく自然に魔法菓子が溶け込んでいる世界観がとても素敵でした。星座が浮かび上がるチョコケーキ「プラネタリウム」や、食べると鈴の音が鳴る「ベルサブレ」……美味しそうなだけでなく、見た目がとても楽しそうで、ぜひイラストや映像で見たいと思いました。私のお気に入りは、食べると体が浮く「ふわふわシュークリーム」です。
ピロートには様々な悩みを抱え…続きを読む - ★★★ Excellent!!!甘い魔法菓子のような小説!
とてもよかった!
作中では魔法菓子を食べて不思議なことがおこるのだけれど、
ちょうどその魔法菓子を食べているかのように
この小説を読んだ。
そして魔法菓子を食べるとそうなるように、
とても幸せな気持ちになりました。
登場人物たちは決して幸せな人ばかりではなくて、
作中起こることは決していいことばかりではなくて、
でもそんなことも、
魔法菓子を食べるとみんな笑顔になるのです。
その真ん中には蒼衣と八代の関係があって、
ふたりによってつくられる魔法菓子とか周りの時間が
とてもかわいいと思いました。
第一部の最終話「プラネタリウムと蒼衣の空」が特に好きです。
乗り越えられた過去は未来になる。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!蒼衣さんの作る『魔法菓子』、食べてみたいです!
スイーツ好きな方、必見!
華やかな外見と魅惑の美味しさ。一口食べれば、まるで魔法にかかったように幸せになれるスイーツ。
でも、もしも本当に、魔法のかけられたスイーツがあったら……?
表面に触れると、ドームの上に星が浮かび上がるチョコケーキ。
食べると、体がふわふわ宙に浮くシュークリーム。
一定時間、声が変わったり、変装できちゃうお菓子まで……!?
この作品に登場する『魔法菓子』には、少し不思議な魔法がかかり、見た目も味もとても美味しそう。
さらに、作る工程も書かれており、まるで実在するみたいで読んでいて楽しくなりました。
こんなに素敵なスイーツを作れるのは、きっとパティシエ蒼衣さんの優し…続きを読む - ★★★ Excellent!!!生きづらい人、元気を出してください。
主人公の蒼衣は、魔法菓子職人として、いろんな人の悩みやつまづきをスパッと解決する……とまではいきませんが、その小さなお手伝いをします。
そんな蒼衣自身も、大きな「人生のつまづき」を抱えていて、悩んだり落ち込んだりする姿は、現実社会で困難にぶつかって折れそうになったり、実際折れてしまう私達にも似ているのではないでしょうか。
でも、つらいことばかりではなく、助けてくれる人が周りにいて、つらいことをひとつひとつ乗り越えてゆく姿は、読み手に勇気を与えてくれます。
細やかに描かれる魔法菓子の描写も楽しく、読み終わった後にはほっとして、ちょっぴり泣きました。
ちょっと落ち込んだ時に読むと、「あるある…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「いきぐるしい」と感じる貴方に、甘やかな優しさを届けたい。
喫茶店という優しい空間に、きらめく魔法菓子。
お菓子自体がすでに魔法のようなのに、そこに小さな、小さな魔法が込められている。
不可思議可愛らしいお菓子が寄り添うのは不器用な人たちの隙間です。魔法菓子と言ってもすべてを変えるような強烈さは無くて、それでもその心にふわりとやさしさを差し込むもので。
人生のつまづき。苦しむ人、悩む人にそっと手を添えてくれる。無理やり立てではなく、そっと待って、心に寄り添ってくれるような魔法菓子。
魅力的な店主とパティシエが作り出す優しい空間は、客だけではなく、その人たちにとっても大切な場所で――ただひたすら優しい心地にひたりたいとき、暖かい布にくるまりた…続きを読む - ★★★ Excellent!!!不思議な洋菓子店の優しい日々を描く、センシティブストーリー
「魔法菓子」を作る柔和な美青年パティシエ・蒼衣さんと、来店してくるお客、店長兼親友の八代さんが紡ぐ、ちいさな洋菓子店の物語。
色々な回り道を経て、パティシエとしてお店を持った様子の蒼衣さんは、お菓子を作って売るなかで何かを与えたり、与えられたりしながら毎日を歩んでいます。
温和でお人好しで繊細、ちょっと考えこみがちなパティシエの蒼衣さん。外向的でアクティブと好対照な店長の八代さん。この二人の仲の良い掛け合いも魅力です。互いに全幅の信頼を置いて、二人で小さな洋菓子店を盛り立てる姿は眩しいばかり。
ただただ甘いだけじゃない。ちょっぴりほろ苦さや塩味も効いた、繊細な洋菓子のような、だけど…続きを読む