蒼衣さんのおいしい魔法菓子

作者 服部匠

71

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★★★ Excellent!!!

とてもよかった!
作中では魔法菓子を食べて不思議なことがおこるのだけれど、
ちょうどその魔法菓子を食べているかのように
この小説を読んだ。
そして魔法菓子を食べるとそうなるように、
とても幸せな気持ちになりました。

登場人物たちは決して幸せな人ばかりではなくて、
作中起こることは決していいことばかりではなくて、
でもそんなことも、
魔法菓子を食べるとみんな笑顔になるのです。

その真ん中には蒼衣と八代の関係があって、
ふたりによってつくられる魔法菓子とか周りの時間が
とてもかわいいと思いました。

第一部の最終話「プラネタリウムと蒼衣の空」が特に好きです。
乗り越えられた過去は未来になる。
金のフィナンシェは、そのためにあったのだね。

★★★ Excellent!!!

スイーツ好きな方、必見!
華やかな外見と魅惑の美味しさ。一口食べれば、まるで魔法にかかったように幸せになれるスイーツ。
でも、もしも本当に、魔法のかけられたスイーツがあったら……?

表面に触れると、ドームの上に星が浮かび上がるチョコケーキ。
食べると、体がふわふわ宙に浮くシュークリーム。
一定時間、声が変わったり、変装できちゃうお菓子まで……!?
この作品に登場する『魔法菓子』には、少し不思議な魔法がかかり、見た目も味もとても美味しそう。
さらに、作る工程も書かれており、まるで実在するみたいで読んでいて楽しくなりました。

こんなに素敵なスイーツを作れるのは、きっとパティシエ蒼衣さんの優しさがあってこそ。
『魔法菓子店 ピロート』を営む、優しく繊細なパティシエ蒼衣さんと、子どもっぽく陽気なオーナー八代さん。
真っ直ぐ前を向き、素直な言葉を投げかける八代さんには“憧れ”を感じ、時に傷つき、思い悩む蒼衣さんには“共感”を抱きながら読んでいました。

彼らのお店へ訪れるお客さんも、さまざまな悩みを抱えて。
けれども、蒼衣さんの作る『魔法菓子』を通して、気付きや勇気やきっかけをもらい、前へ進んでいきます。

つまづいたなら、癒やされよう。辛いことがあっても、勇気を出して前へ、きっと大丈夫。
この作品に出会えて良かった。蒼衣さんの作る、温かく優しい『魔法菓子』、オススメします!

★★★ Excellent!!!

主人公の蒼衣は、魔法菓子職人として、いろんな人の悩みやつまづきをスパッと解決する……とまではいきませんが、その小さなお手伝いをします。
そんな蒼衣自身も、大きな「人生のつまづき」を抱えていて、悩んだり落ち込んだりする姿は、現実社会で困難にぶつかって折れそうになったり、実際折れてしまう私達にも似ているのではないでしょうか。

でも、つらいことばかりではなく、助けてくれる人が周りにいて、つらいことをひとつひとつ乗り越えてゆく姿は、読み手に勇気を与えてくれます。
細やかに描かれる魔法菓子の描写も楽しく、読み終わった後にはほっとして、ちょっぴり泣きました。

ちょっと落ち込んだ時に読むと、「あるあるこういうこと」と、共感と元気をもらえる作品です。

★★★ Excellent!!!

 喫茶店という優しい空間に、きらめく魔法菓子。
 お菓子自体がすでに魔法のようなのに、そこに小さな、小さな魔法が込められている。
 不可思議可愛らしいお菓子が寄り添うのは不器用な人たちの隙間です。魔法菓子と言ってもすべてを変えるような強烈さは無くて、それでもその心にふわりとやさしさを差し込むもので。
 人生のつまづき。苦しむ人、悩む人にそっと手を添えてくれる。無理やり立てではなく、そっと待って、心に寄り添ってくれるような魔法菓子。
 魅力的な店主とパティシエが作り出す優しい空間は、客だけではなく、その人たちにとっても大切な場所で――ただひたすら優しい心地にひたりたいとき、暖かい布にくるまりたいときにお勧めします。
 パティシエの菓子が客にとって優しい寄り添いであるように、パティシエにとってもその場所はすごく大切な場所。彼らの物語がさいわいであるだろう世界は、きっと貴方にとっての心地よさになると思っています。

★★★ Excellent!!!

当方八代君の実家と設定されている愛知県西三河の出身です。時折出てくる地名や方言に懐かしさを感じつつ。
ただでさえおいしいケーキが魔法の力を手に入れたら、どんな素敵なことが起こるのか。魔法菓子にまっすぐ向き合う主人公の蒼衣くんとそれをたっぷりの愛の元に支える周囲の人々にも好感。

★★★ Excellent!!!

「魔法菓子」を作る柔和な美青年パティシエ・蒼衣さんと、来店してくるお客、店長兼親友の八代さんが紡ぐ、ちいさな洋菓子店の物語。
 色々な回り道を経て、パティシエとしてお店を持った様子の蒼衣さんは、お菓子を作って売るなかで何かを与えたり、与えられたりしながら毎日を歩んでいます。

 温和でお人好しで繊細、ちょっと考えこみがちなパティシエの蒼衣さん。外向的でアクティブと好対照な店長の八代さん。この二人の仲の良い掛け合いも魅力です。互いに全幅の信頼を置いて、二人で小さな洋菓子店を盛り立てる姿は眩しいばかり。

 ただただ甘いだけじゃない。ちょっぴりほろ苦さや塩味も効いた、繊細な洋菓子のような、だけど優しい物語をどうぞ。

★★★ Excellent!!!

若々しいのにアラサーというイケメンコンビによる、お菓子店を舞台としたお話です。
しかし取り扱うのはただのお菓子ではなく、魔法による様々な仕掛けが施された『魔法菓子』という一風変わった商品です。
食べた時にメイクが出たりなど、その効果はお茶目なものばかりで、現実にあったら子供さんなんか喜びそうだなと、なんだか微笑ましいアイテムです。

紆余曲折を経て、深い信頼を築いた二人のやりとりも見ていて面白いです。
メンタルがしっかりしているようでいろいろ訳ありな蒼衣さんと、大らかだけどいろいろちゃっかりしている八代さんとのバランスが絶妙です。

個人的に一番読んでいてズシリと来たのは人の感情の正体に『気づき』を与えてくれるところでした。
自分にもそういうところあるよな……という部分でそれを明確に心にしてくれる場面などもあり、そういうことだよなぁとしばしば頷いてしまうこともあったり。

キャラ小説が好きな自分に思わぬ味覚を堪能させてくれる作品です。今後の更新も楽しみにしております!