読者に『気づき』を与えてくれる物語

若々しいのにアラサーというイケメンコンビによる、お菓子店を舞台としたお話です。
しかし取り扱うのはただのお菓子ではなく、魔法による様々な仕掛けが施された『魔法菓子』という一風変わった商品です。
食べた時にメイクが出たりなど、その効果はお茶目なものばかりで、現実にあったら子供さんなんか喜びそうだなと、なんだか微笑ましいアイテムです。

紆余曲折を経て、深い信頼を築いた二人のやりとりも見ていて面白いです。
メンタルがしっかりしているようでいろいろ訳ありな蒼衣さんと、大らかだけどいろいろちゃっかりしている八代さんとのバランスが絶妙です。

個人的に一番読んでいてズシリと来たのは人の感情の正体に『気づき』を与えてくれるところでした。
自分にもそういうところあるよな……という部分でそれを明確に心にしてくれる場面などもあり、そういうことだよなぁとしばしば頷いてしまうこともあったり。

キャラ小説が好きな自分に思わぬ味覚を堪能させてくれる作品です。今後の更新も楽しみにしております!

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