概要
【君が観測する世界は、一体誰が決めているんだろうな?】
「つまりですよ、先輩。五十嵐先輩。友達の一人もいない、寂しく侘しい五十嵐裕介先輩。あなたがそうでありながらこの日までやってきて来れたのは、ひとえに私の、篠原綾香の、世界一愛らしく愛おしい篠原綾香ちゃんのおかげであることはゆるぎない真実なのです」
彼はそれについて、言い回しや言葉選びやその他細かいツッコミどころはともかくとして、概ね同意していた。彼が心を強く持てたのは、紛れもなくこの少女の存在あってこそであり、彼の空白の高校生活は彼女によって彩られることになった。だが一方で。
「篠原さんだって、僕がいなかったらどうなってたことか。篠原さんの性格的に、絶対フォークソング部以外の音楽系のクラブには馴染めなかっただろうし、僕がこれほどまでに心の広い男じゃなかったら篠原さん、それこそボッチに
彼はそれについて、言い回しや言葉選びやその他細かいツッコミどころはともかくとして、概ね同意していた。彼が心を強く持てたのは、紛れもなくこの少女の存在あってこそであり、彼の空白の高校生活は彼女によって彩られることになった。だが一方で。
「篠原さんだって、僕がいなかったらどうなってたことか。篠原さんの性格的に、絶対フォークソング部以外の音楽系のクラブには馴染めなかっただろうし、僕がこれほどまでに心の広い男じゃなかったら篠原さん、それこそボッチに
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?