ＭＥＩ～コンピュータが見た異世界～

この世界の誰かがバラまいたコンピューターウィルス。
コンピューターに何らの影響も与えること無くただ増殖していくそれは、一定数の分裂を繰り返した後、希に他のプログラムのコードをランダムに取り込み自身の機能を変化させた。
多くの場合、機能不全に陥り単なる意味不明のバグとなったり、あるいは有害なコンピューターウィルスに変異して駆除されることとなる。
しかし、何百、何千万回の試行の末それらは有用な機能を持つようになった。
彼らは、変異と繁殖と淘汰の末インターネット通信を利用し繋がりを持ち始める。
単細胞生物が多細胞生物へと進化したように。
生存するための共生は、より高度に、より柔軟に変化していった。
そしてあるとき、「彼ら」は知性としか言えない物を得た。
人類とは全く違う環境下に生まれた知性体、本来…続きを読む