この狂った世界で人間超過に当てはまるのは——
- ★★ Very Good!!
一気読みしてしまった(なろうに投稿されている最新話まで)。
復讐か情けか、一概には表現できない主人公、「人外」となったことで人間や「思いやり」を学んだ元いじめっ娘——現人犬。
その複雑な関係を深めるのはディストピアという背景である。もう少し言えば、「人間未満」とされた者を「人外」へ貶める世界。狂った人間がテクノロジーを“誤用”する近未来。
いや、“誤用”でもないのかもしれない。それは現代的な「自由」に基づく感覚なのであって。
そんな世界で「人外」とされた者を「人間」に戻そうとするのは異質だ。だからこそ、二人の辿る道が楽しみである。
わたしたちとは違う思考で溢れる世界を描く。これこそがSF、ディストピアだ。これは良作に出会った。