この狂った世界で人間超過に当てはまるのは——

 一気読みしてしまった(なろうに投稿されている最新話まで)。

 復讐か情けか、一概には表現できない主人公、「人外」となったことで人間や「思いやり」を学んだ元いじめっ娘——現人犬。
 その複雑な関係を深めるのはディストピアという背景である。もう少し言えば、「人間未満」とされた者を「人外」へ貶める世界。狂った人間がテクノロジーを“誤用”する近未来。
 いや、“誤用”でもないのかもしれない。それは現代的な「自由」に基づく感覚なのであって。

 そんな世界で「人外」とされた者を「人間」に戻そうとするのは異質だ。だからこそ、二人の辿る道が楽しみである。

 わたしたちとは違う思考で溢れる世界を描く。これこそがSF、ディストピアだ。これは良作に出会った。

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