「人間」とは何だ? 究極の疑問に挑むヒューマンドラマ。

人間が社会を作るのか。
社会がヒトを人間たらしめるのか。

因果性のジレンマに対し、社会の側へ端緒を置いたのが作中の世界。
社会全体の更なる幸福を目指して、倫理や道徳など超越した「人間」の最適化。
その先にあったものはヒトが獣になり、あるいは化物となる地獄だった。

ここまで平易かつ写実的に、「心の傷」を描いた作品は珍しい。
とても万人受けのするものではないが、試さないのは大いなる機会損失だと断言しよう。
どうか読後の、千々に乱れる感情を体験し愉しんで頂きたい。

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