概要
※本作品は現在執筆中の「カムリの帝冠」の一部を抜粋し、短編化したものです。琴線に触れる所があったら、是非とも完成を御期待下さい。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!豊富な知識に裏打ちされた作品世界の完成度の高さに驚き
とても面白く拝読しました。
遥か未来の宇宙が舞台であり、現実には存在しない未来の兵器といった科学技術が登場する一方で、それらの科学技術を現代日本、あるいは英国の法制度によって運用している点が奇妙で、なんともいえない可笑しさが本作品には存在し、その点が異彩を放っているように思います。
ただ、あえて難点を指摘すれば、登場人物の台詞回しが少し大時代的で、結果として、はるか未来の宇宙が舞台でありながら、現在の世界、日本の法制度や国家機構のあり方と地続きになっているという本作品の魅力を毀損しているのではないかと感じてしまいました。今後は、もう少し、ある種、ステレオタイプ化された英国…続きを読む - ★★★ Excellent!!!政治性・アイロニー・SF
丁寧に作り込まれたSF世界観と作者の政治への深い造詣とが調和した作品。
ストーリーとしては人類が宇宙に定住した23世紀の未来を舞台に、日本の宇宙戦艦(作中では航宙護衛艦)が武力衝突に巻き込まれる話です。
特に後編の戦闘シーンで顕著ですが科学技術が相応に進歩し、未来感を演出する一方で、作中には(紆余曲折を経つつも)日本があり、イギリスが登場するように、政治面では今私たちのいる現在との連続性が高いものとなっています。
政治的な連続性の強さは例えば23世紀の宇宙であっても依然日本は自衛隊を有し、艦種名に政治的な配慮をするという点にも現れており、この他にも作者の政治への深い造詣がSF的世界観をまと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!緻密な設定と本格的な短編小説
この作品の素敵なところは、非常に緻密な設定と考察が加えられているところである。
大英帝国の高官役職などは、保守的な国民性を投影してほとんど変わらずに残っているのが極めて現実的である。
また、日本人の有するある一定の自分勝手さについても皮肉的に表現しており、悲しくも、また冷笑を交えて読むことができた。
緻密な設定に裏付けされた作品であり、非常に興味深い内容で、続きについて妄想を膨らませてしまう時点で、この作品は私のお気に入りなのであろう。
また、別の作品があれば期待したい。
ただ、設定の説明が丁寧すぎて少々冗長にとられかねないのが非常に残念だ。作者の優しさで設定の解説があるのは非常に良いと思う…続きを読む