愛を持ったAIの疾走感あふれるサイバーパンク

世界は近未来。
サイバー犯罪対策課vsテロ組織。

亡くなった少女の記憶。
徐々に明らかになっていく真実。
スピード感満載のクライマックス。

そんな魅力的な世界が、

"AIの一人称"

によって紡ぎ出されます。

えっ、AIってあのAIですか?
そう、あのAIです。人工知能です。

それ、物語として大丈夫なんですか?
はい、大丈夫です。それどころか、とても面白いです。

とまあ、感情を持ったAIという、書くのが難しそうなキャラクターを主人公としながらも、そのリーダビリティの高さは圧巻でした。すごい……。

SFとしてはもちろん、ミステリーとしても完成度が高いです。
ユウが追うのは、テロ組織のボス、ナポレオンと呼ばれる人物の正体。

ヒントはあるんですよ!
なのに最後まで誰がナポレオンかわからないんですよ!
だって怪しい人が何人かいるじゃないですか!

順当にいけばこの人かこの人だろうなぁ。でも裏をかいてこいつってこともあり得るのか……。
と、作者と読者のそんな駆け引きも楽しめます。

あとキャラもいいです。
三葵くんがすごく好き。心に闇抱えてる系男子ですね。
リンゴ食べてるシーンでデ○ノートの某死神さんを思い浮かべたのは秘密です。

SF好きもミステリー好きも、SFもミステリーもあんまり読んだことないけど興味あるよーって人も、何か面白いの読みたい!って人も、全員まとめてかかってこい! この小説が一人残らず虜にしてやる!
ってくらいあらゆる方面にオススメできる作品だと思います。

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