機械仕掛けの少女による、美しくも儚いミステリー……

 ヒューマノイドの少女と、その周囲が繰り広げるSFミステリー。

 過去と現実が交錯していく展開、積もりに積もる数々のミステリー、そしてそれらが最後に向かうごとに、少しずつ収束していく。
 作者様の手腕も手伝って、それが一つ一つ噛み締める思いがしてきます。それで徐々に謎が解けていく瞬間が、何とも心地よい感触を思うかのようでした。

 そして重要なのはヒューマノイドの主人公。彼女の活躍、葛藤、そして想いが、このドラマをさらにエスカレートさせてくれる。最初はヒューマノイドであるという設定に奇妙さを覚えましたが、まさにこれしかないのだと実感するようになります。

 こんなミステリーに出会えて本当に良かった……そう感じる物語が、ここにあります。

 
 

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