【コラム】第1回 『リバイバル版F・バンパイアについて』

リバイバル版ファンタスチック・バンパイアPART1からPART3まで楽しんでいただけたでしょうか?

昔読んでいたという人も(もちろん、これは"記憶にある"という意味ですが)初めて読む人も、ここらで軽くおさらいしておきましょう。

『ファンタスチック・バンパイア』は、イギリスの作家ベッキー・ジャブロー(Becky・Jabrow)によって書かれた小説で、『エイトビット』というパルプマガジンで連載されていました。

PART2までは試験連載で、正式な連載となったのはPART3以降です。そのため、PART3以降は、数話ごとの短いエピソードの集合で、ひとつの大きなストーリーを描くという形になっています。


ベッキー・ジャブローは、イギリスで生まれ、幼少期を日本ですごしたのち、高校卒業とともに再びイギリスに戻ってきました。その後、昼夜を問わずバイトをしながら生活費を稼ぎ、あいた時間で執筆活動に取り組みました。

日本での経験が、作品にも色濃く反映されており、とくに食文化に関しては、日本研究家であるわたしの目から見ても、かなり忠実と言えるでしょう。そもそもF・バンパイアの舞台は日本ではありませんが、研究家の中には、日本と西洋がミックスされたファンタジー世界と捉えている者も少なくありません。

実際、PART3では舞台として日本が登場しています。

そして、そのPART3に登場する貴士弐意生は、漢字のネーミングをはじめとする日本的要素が多く含まれたキャラクターであり、日本に古くから存在する"忍者"でもあります。

忍者としての貴士弐意生は、忍者研究の重要研究対象として専門の研究チームが存在するほどです。

日本研究家であるわたしがこうしてF・バンパイアの研究に乗り出したのは、そういった日本的要素に興味を惹かれたというのがあります。


おっと、忍者と言えば書かせないのは挨拶です。

ドーモ、申し遅れました、リバイバル版ファンタスチック・バンパイア連載責任者スパイ03と申します。


連載責任者であるわたしの仕事は、旧地球時代の偉大なる文学を現代の皆さんに、気軽に触れてもらうためにこうして一般公開をすることです。

これまで、F・バンパイアを読むことができたのはかぎられた極一部のマニアだけでした。

それをこうして現代に復活させることができたのを心から嬉しく思います。

今後ともよろしくお願いします。



P.S. エイトビット版PART2の入手方法について質問がありましたが、わたしには研究家としてのパイプラインがありましてね。それでも、かなり苦労しました。エイトビット版はシリーズ通して貴重ですがPART2はその中でも特に貴重で、現地球には、おそらくわたしの手元にあるものを含めても10冊あるかないかだと思います。

オークションで手に入れられたとのことですが、運が良かったですね。大変貴重なものです。ぜひ大切にしてください。

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