【資料】日本に置ける各バージョンの解説

『ファンタスチック・バンパイア』はそのバージョン違いの多さでも有名ですが、今回は日本語で発表された各種翻訳版についてまとめてみました。



SPY(スパイ00)版 『DARK EARTH』


個人が有志で翻訳、mixiで連載していた。翻訳を通り越して超訳とも言える独自解釈に基づく翻訳とクセのある文体が特徴で、今でもカルト的なファンが多い。

"スパイ00"という名前は、もともとただ単に"SPY"というハンドルネームだったものをスパイ01氏(後述)と区別するために使われるようになった俗称。

タイトルの『DARK EARTH』は元々エイトビットで原作と同時期に連載されていた別の作品のタイトルだが、どういうわけか本作のタイトルとして使用されている。

旧mixi版のデータは残っていないが、現在では同人誌として販売されたものと、スパイ02版(後述)が発売された際に、『F.V.クラシックス』のタイトルで書籍化されたものを入手可能。



スパイ01版 『ファンタスティック・バンパイア』


スパイ00版(以下00版)のファンのひとりによる、より原文に忠実なバージョン。

SPY氏のフォロワーであることからスパイ01を名乗り、以降の翻訳者はスパイ○○という名前で続くようになった。

翻訳の特徴としては、スパイ01氏が英語を読めなかったため、グーグル翻訳(当時の自動翻訳サイト)を利用した機械翻訳をベースに細部を整えるという方法をとっていたことに起因する誤訳が多い。有名なのは、ファーピー・グレイマウスが、『ファーピー』と『灰色ネズミ(Glaymouseの直訳)』というふたつのキャラクターとして誤訳されているというもの。ネットミーム的にネタにされ続け、後に原作に逆輸入された。

スパイ02版の登場によってPART6以降更新が途絶えたと思われ、記録が残っていない。

こちらはPART4までは同人誌が現存するが、マイナーであり、部数のわりには価格も低め。PART5は同人誌内の記述から存在したと思われるが、現在では読むことはできない。



スパイ02版 『ファンタスチック・バンパイア』


一般的に知られているのはこちらのバージョン。

スパイ01版の人気により、正式に権利を取得したうえでの翻訳がなされたもの。

翻訳者は別名義で活動しているベテラン翻訳者であるとされているが、本作のために"スパイ02"の名前を使用し、誰が翻訳者だったのかは未だに謎に包まれている。

タイトルも、原作のタイトルである『Fantastick・Vampire』(正しいスペルは"Fantastic"だが、作中でバニラの口調を表現するために用いられていた意図的なスペルミスに由来するタイトル)に合わせて『ファンタス"チ"ック・バンパイア』とされ、以降はこちらが定着した。



スパイ03版 『リバイバル版(本作)』


新地球時代に入ってからの公式の翻訳としては初だと思われる。02版をベースに、原作の各バージョン違いを網羅したうえで一部再編集し、もっともベストな状態で読めるようにしているつもりである。また、随時コラムによる解説も行っていく。



次回は、本編の更新をする予定です。お楽しみに。

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