ニヤニヤと熱血とロマンスの洪水……夢中になれるヴァンパイアストーリー!

とにかく面白い物語でした。
優しくて女性の苦手な吸血鬼の少年と、甘い血を持つ残酷なまでに鈍感なヒロイン……この二人を軸に物語は進みます。

なんといってもこの二人のキャラクターが面白く、微笑ましい。
前半は、この二人のやり取りが楽しく描かれ、コメディー風味たっぷりに話が進んでいきます。

しかしそれだけでは終わらないのがこの物語のすごいところ。
後半にガラリと日常が崩れ、シリアスな展開に入っていきます。

明かされる謎や、怒涛の戦い、細かく描かれた心の揺れ。
そう言ったものが胸に迫ってきて、やはり怒涛の勢いで読んでしまいます。そしてなんとも感動的なラストへと物語は進み……

とにかく読ませる文章とキャラクター、次を期待させる語り口、さらに物語全体を包む構成の巧みさ。
物語を読む、そんな楽しみに満ちている作品だと思いました。

そうそう、ヒロインには弟がいるんですが、この八雲君がまた世話焼きのかわいい弟で。

この物語、本編だけでも頭から尻尾まで十分に面白さが詰まっているのですが、さらに番外編があります。
こちらもまた趣向を変えた短編なのですが、こちらも見逃せません。

とにかく面白い物語をお探しの方、吸血鬼ものが好きな方ならきっと嵌まるはず!
ぜひ読んでみてください!

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