歩く災厄。その男からは逃げられない……災害級モンスター、現る。

 「父さん」と「倒産」って、駄洒落(笑)……とニヤけながら読み始めたら、とんでもない怪作でした。阿鼻叫喚の衝撃展開、戦慄のホラー。

 一話目からもうヤバい。この「父さん」、相当な危険人物だとわかります。まぁ、思わずツッコミ入れながらも、まだ笑って読めるんですよ。初めのうちは。
 でもね……話が進むごとに、ヤバさがどんどんスケールアップしていくんです。
 こんな人、いるわけない。でも……案外いたりして。いや、結構いるかも………? と思わせる嫌〜なリアリティ。ぞわぞわする薄気味悪さが蓄積していき、震えがくるほどの恐ろしさ。

 おそらく皆さま、無理難題に四苦八苦する主人公を応援しながら読み進む筈です。しかし徐々に声援は「頑張れ」から「負けるな!」、そして「もういい、逃げろ!」、最後には「神様、たすけて!」という悲鳴にも似た祈りへと変わっていくことでしょう。
 祈りの先に待っているのは、救いか、或いは絶望か……

 衝撃の結末を(マジで衝撃です)、そして「父さん」の恐怖を、存分に味わっていただきたい。

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