概要
多分本邦初のゾンビもの純愛BL
小説同人誌bnkrR 特集:ゾンビ号に寄稿した小説の再録です。
冒頭一部
一、
(タキの話)
かたんかたんと、学校帰りの電車は、眠気を誘う揺れと速度で走る。
夕方の光が、座るサワの後ろから射して、車窓の外の街を全部影にする。二駅前でどっと人が降りて、車内はもうだいぶひと気が少なかった。コートを着てもわかる学ラン姿は、俺とサワだけだ。
空いたサワの隣に座らなかったのは、吊り皮に捕まった姿勢で、正面からサワを見下ろしていたかったからだ。ゲームの話や、好きなアイドルの話を、サワは面白がるのと馬鹿にするのを混ぜて笑う。その伏せた目の色が好きだった。サワの真っ赤なマフラーは女ものみたいだ。でもざっくりした編み目の、あらっぽい派手さが、サワに似合ってた。
あのさぁ、と、本音が口をついたのは、気持ちが
冒頭一部
一、
(タキの話)
かたんかたんと、学校帰りの電車は、眠気を誘う揺れと速度で走る。
夕方の光が、座るサワの後ろから射して、車窓の外の街を全部影にする。二駅前でどっと人が降りて、車内はもうだいぶひと気が少なかった。コートを着てもわかる学ラン姿は、俺とサワだけだ。
空いたサワの隣に座らなかったのは、吊り皮に捕まった姿勢で、正面からサワを見下ろしていたかったからだ。ゲームの話や、好きなアイドルの話を、サワは面白がるのと馬鹿にするのを混ぜて笑う。その伏せた目の色が好きだった。サワの真っ赤なマフラーは女ものみたいだ。でもざっくりした編み目の、あらっぽい派手さが、サワに似合ってた。
あのさぁ、と、本音が口をついたのは、気持ちが
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