もし神の力を手に入れることが出来たら、何をしたい?

そろそろ中年の自覚のある玖珂駿介は、三十五歳、バツイチ。離婚の傷心を慰めるつもりで訪れたギリシャで、うっかりクロノス(時間を司る神)の呼びかけに応えてしまった。クロノスをタルタロスから解放することを、ゼウス神に願いに行ったところ、今度は「半神」にされてしまう。ギリシャ神話の神々が、人間の彼の力をかりて成し遂げたいこととは、いったい?

神の声が聞こえてしまったばかりに、「半神」の力を得たバツイチ中年男……というだけでは何のことか分かりませんが。これが面白いのです。自分の境遇を受け容れた(?)主人公が、時を司る神クロノスとともに着手したのは……彼の「趣味」?
絶世の美女を助けたり、神々の仲を仲裁したり。なんとも粋でカッコイイ神力の使い方に、オトナの遊び心が刺激されます。

渋いちょいワル親父や美魔女(女神ですが)、歴史や神話の教養、ワンコが好きな方にお薦めです。

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