雨空に隠された真実と、狭間を往く天使の物語

じめじめと梅雨の雨が降りしきる街角。少女は、恋しい青年の姿を想い描く。褐色の肌、赤い瞳、黒髪と黒い翼――人ならぬ彼はしかし、五年前に少女を救ってくれた恩人だった。身寄りのない少女は、追われる身を隠しながら、彼との再会を待ちわびていた。
突然、少女の前に、神々しい光かがやく天使が現れた。首狩りの鎌を持つ彼女は、少女を断罪する。

「お前の存在こそがあってはならない」と――

時を司る天使は、少女の恋い慕う青年と同じ名を持っていた。
雨にまつわる、少女の犯した罪とはなにか。彼と出会うことは出来るのか。

作者さま渾身のミステリー・ダーク・ファンタジー。固唾を呑んで物語の行方を追っています。

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